ダイソーの1000円ワイヤレスイヤホンは、これまですべてシリコン製のイヤーピースを耳栓のように耳の奥に挿入するタイプの「カナル型」と呼ばれるイヤホンで、形も耳にすっぽりはまるスタンダード型とかビーン型とか呼ばれるものでした。
2024年8月に登場した、ダイソーの新型ワイヤレスイヤホン「完全ワイヤレスイヤホン(スケルトン、ブラック)」は、ダイソーが発売する1000円(税込み1100円)のワイヤレスイヤホンとしては初の「インナーイヤー型」で、さらに「スティック型」と言われる、AirPodsに似た形をしたイヤホンです。
(2024.10.06)8月時点ではブラックしかありませんでしたが、9月の終わり頃から「ホワイト」も店頭に並ぶようになりました。
本記事では、ダイソーが2024年8月に発売した完全ワイヤレスイヤホン「完全ワイヤレスイヤホン(スケルトン、ブラック)」について、特徴や外見、実際に使ってみた音質や使い勝手などをレビューしていきたいと思います。
インナーイヤー型イヤホンとは?
インナーイヤー型イヤホンは、耳の穴に浅くひっかけるように装着するタイプのイヤホンです。
耳の中に深く入れないため、圧迫感が少なく、長時間使用しても疲れにくいのが特徴です。
また、開放型のデザインにより、音の広がりが自然で、臨場感があるサウンドを楽しむことができます。周囲の音が聞こえやすい点も、安全性を保ちたい状況で使う際の大きな利点です。
一方で、耳に浅く装着するため、遮音性が低く、外部の騒音が入りやすいことや、音漏れしやすいという点には注意が必要です。
インナーイヤー型イヤホンは、カナル型イヤホンのような耳の圧迫感・閉塞感が苦手な方や、屋外などでも安全に使いたい方などに向いているイヤホンと言えます。
ダイソー「完全ワイヤレスイヤホン(スケルトン)」の特徴
- 本体・充電ケースともに中身が透けて見えるスケルトンデザイン
- ダイソー1000円イヤホン初のインナーイヤー型&スティック型
- タッチセンサー搭載で軽快な操作
ダイソーの「完全ワイヤレスイヤホン(スケルトン)」の1つ目の特徴は、なんといってもそのデザインでしょう。
本体・ケースともにクリアなプラスチックが使われていて、中身の基盤が見られるようになっています。透明ではない部分は黒基調で、外装や基盤も黒で統一されています。見た目はとてもおしゃれでかっこいいです。
最近、3coinsやゲオからもスケルトンデザイン(クリアデザイン)のモデルが出ましたし、スマートフォンでもNothing Phoneなんかはスケルトンデザインです。音響機器メーカーの製品では、JBLのTUNE Flexもスケルトンデザインです。
特徴2つ目は、ダイソーのワイヤレスイヤホン初の「インナーイヤー型」であり、かつ「スティック型」ということかと思います。デザインが個性的なので一見わからないかもしれませんが、形や大きさはAirPods(第3世代)に似ています。
ダイソー「完全ワイヤレスイヤホン(スケルトン)」の仕様・外見
ダイソーのスケルトンワイヤレスイヤホンの仕様を見てみましょう。
イヤホン(本体)部分
ダイソーの「完全ワイヤレスイヤホン(スケルトン)」のスペックは、1000円という価格だけに、とてもシンプルな仕様ですが、インナーイヤー型の特徴ともいえるドライバー(音が出る部分)の口径が13mmと大きい点は、迫力あるサウンドが期待できます。
使われているBluetoothチップは、格安ワイヤレスイヤホンではおなじみの中国のメーカー「珠海市杰理科技(ZhuHai JieLi Technology Co., Ltd)」製の「AD6983D2」だと思われます。
ダイソーの「完全ワイヤレスイヤホン(スケルトン)」はスケルトンなので、こんな感じで部品が丸見えです。写真真ん中よりちょっと左側にあるチップがBluetoothチップです。
スペックに関しては、対応コーデックがSBCのみだったり、本体のみの連続再生時間が5時間程度だったりと、最近の低価格イヤホンの中ではやや物足りない印象です。
残念ながら防水は対応しておらず、ノイズキャンセリングや低遅延モードの搭載もありません。
- タイプ:インナーイヤー型
- 対応コーデック:SBCのみ
- Bluetoothバージョン:5.3
- 連続再生時間:イヤホン本体約5時間+充電ケース約10時間
- 型式:ダイナミック型
- ドライバー:Φ13mm
- 防水性能:なし
- 重量(およその実測値):片耳約3.5g
- サイズ(およその実測値):縦3.1cm×横幅1.85cm×厚み1.8cm
外見
スティック部分の上半分がクリアプラスチックになっていて、スケルトンデザインを構成しています。前の画像でもふれましたが、どこに何があるかよくわかります。
上部タッチセンサーのさらに上についている部品がLEDで、充電中は赤色が点灯し、ペアリング中は赤白交互に点滅します。
クリア素材以外の部分は黒のプラスチックです。こちらはちょっと安っぽくみえます。スティックの先端部分にLR表記があります。
本体の重量は約3.5gと、軽めですが標準的なイヤホンの重量といえます。
充電ケース部
充電ケースは非常にコンパクトにできています。ふたの開閉の感触もしっかりして小気味良い感じです。
- バッテリー充電時間:約2時間
- イヤホン充電可能回数:約2回
- 総重量(本体+充電ケース):約29.3g
- サイズ:縦4.5cm×横幅5.3cm×厚み2.5cm
- 充電端子:USB Type-C
外見
ケースはふた部分と上部の収納部分が透明なプラスチックでできていて、スケルトン感を出しています。基盤も黒でカッコいいです。
背面は黒の艶消しプラスチックで作られています。型番は「TWS_G273_4」です。
本体を収納するとこんな感じです。光が反射して見づらいですが・・・。
重量は29.3gくらいです。
付属品
本体以外の付属品は充電ケースと説明書のみです。
充電用のUSB Type-Cケーブルは付属していないので、別途用意する必要がありますが、最近はどこの家にも1本くらいはあると思います。
ダイソー「完全ワイヤレスイヤホン(スケルトン)」の接続方法
ダイソー「完全ワイヤレスイヤホン(スケルトン)」をスマートフォンに接続するには、最初にペアリングを行います。1度ペアリングすれば、2度目からは自動でつながるようになります。
なお、本機のアナウンスの音量は結構大きいです。アナウンス音声の音量は変えられないので、少し耳から離して作業したほうがよいかもしれません。
マニュアルにはWEBマニュアルのURLリンクがQRコードで提供されています。動画で接続方法などを見ることができます。
iPhone、Androidとも、[設定]アプリから[Bluetooth]を選択してデバイスを追加します。
Androidに接続するコーデックがわかりますが、やはりSBCコーデックで接続されます。
ダイソー「完全ワイヤレスイヤホン(スケルトン)」の操作方法
操作はタッチセンサーで行います。音量調整可能で、SiriやGoogleアシスタントにも対応しています。
再生/一時停止 | L(左)またはR(右)のタッチセンサーを1回タッチ |
音量を上げる | R(右)のタッチセンサーを2回タッチ |
音量を下げる | L(左)のタッチセンサーを2回タッチ |
次の曲へ | R(右)のタッチセンサーを3回タッチ |
前の曲へ | L(左)のタッチセンサーを3回タッチ |
電話にでる/切る | L(左)またはR(右)のタッチセンサーを1回タッチ |
着信拒否 | L(左)またはR(右)のタッチセンサーを2回タッチ |
音声アシスタント(Siri/Google) | L(左)またはR(右)のタッチセンサーを3秒長押し |
ノイズキャンセリングモード切替 | – |
ゲームモード切替 | – |
電源ON/OFF | ON:L(左)またはR(右)のタッチセンサーを3秒長押し OFF:L(左)またはR(右)のタッチセンサーを7秒長押し |
ダイソー「完全ワイヤレスイヤホン(スケルトン)」を使ってみた!
音質について
ダイソー「完全ワイヤレスイヤホン(スケルトン)」の音質は、高いイヤホンとは比較になりませんが、1000円の割には良好なほうなのではないかと思います。
全体的な音のバランスが良く、破綻のない音に聞こえます。ドライバー径が大きいためか、低音域には独特の迫力・存在感があります。中音域の鳴り方も好ましく、100均の安いイヤホンのようなぼわーんとした感じは受けません。高音域もやや天井感はあるもののしっかり鳴っています。
一方で、何となく音の輪郭はあいまいで、ややクリアさに欠ける印象があり、音のヌケ感はイマイチな感じがします。
カナル型イヤホンと比べると、詰まった感じ(密閉感?)が少なくい一方で、音に迫力があり、自然な聞きやすさがあるように思います。
装着感について
ダイソー「完全ワイヤレスイヤホン(スケルトン)」を耳に装着した感じは、普段カナル型を使っている感覚からすると「楽」です。
耳奥まで突っ込まずに、手前で引っかかる感じで、異物感や閉塞感が少ないです。意外と耳にハマる感があるので、不安定な感じもしません。
標準的な耳の大きさであれば、カナル型よりも軽快な装着感でつけることができると思います。
マイクの音質・動画の視聴・ボリューム調整
マイクの音質
ダイソー「完全ワイヤレスイヤホン(スケルトン)」のマイクの音質は、残念ながら実用的とは言えないようです。
Web会議を使って確認してみたところ、声は拾うのですがかなり小さく聞こえてきます。なかなか聞き取りにくいので、どうしても使うときは大きな声でしゃべる必要があります。
動画の視聴
動画の視聴をする際の音と映像のズレについては、概ね違和感なく視聴することができると思います。音ゲーなどは厳しいかもしれませんが、動画に関しては問題ないといってよいと思います。
iPhone接続のボリューム
iPhoneでは最低ボリュームのときでも大きな音になってしまうワイヤレスイヤホンがたまにあるのですが、本機は最低ボリュームで若干大きめ、以後のボリュームの上がり方は問題なさそうでした。
若干大きめではありますが、外出時などはそれなりに周囲の音が入ってきてしまうので、これくらいないと聞こえないかな、という感じもします。
静かな環境で使う場合で、大きい音が苦手な方に関してはやや悩ましいかもしれません。
ダイソー「完全ワイヤレスイヤホン(スケルトン)」のまとめ
ダイソーの「完全ワイヤレスイヤホン(スケルトン)」は、ダイソーの1000円イヤホン初のインナーイヤー型、かつ、形状もスティック型を採用しているワイヤレスイヤホンです。
形状もAirPods(第3世代)に似ているので、ものすごく大げさに言えば、たった1000円でAirPodsに似た装着感をえられるような製品です。
インナーイヤー型ならではの開放的な軽い付け心地と、ややぼんやり感はあるもののバランスがよく、(少し)広がりと迫力のあるサウンドは、1000円としては良くできていると思います。
Youtubeなどで公開されているライブ音源なんかを聞くと、カナル型とはまた違った臨場感を得ることができる(気がする?)ので、見た目のカッコよさもあって、1コ持っていても十分満足感を味わうことができるのではないでしょうか。
インナーイヤー型のイヤホンでは、「redmibuds 6 active」が安くて音が良いと評判になっています。なるべく安価でもっと良いものを希望される場合は、こちらも検討されてはいかがでしょうか。
コメント