100円ショップ業界の有力企業は4社あり、売上高順で1位ダイソー、2位セリア、3位キャンドゥ、4位ワッツ(Watts)です。今回取り上げる品は、業界4位のワッツ(Watts)で見つけた製品です。
100円ショップが100円以上の商品を取り扱うようになってだいぶ経ち、完全ワイヤレスイヤホンもかなりの種類が100均で取り扱われるようになってきていますが、概ね価格は1000円(税込み1100円)が標準的でした。
今回ワッツ(Watts)で見つけた製品は何と税込みで1000円を切り、990円(税抜き900円)という最安値で登場した製品になります。見つけた製品の製品名は「ワイヤレスBTイヤホン」、型番は「HDL-4423」、発売元は株式会社ヒロ・コーポレーションです。
本記事では、ワッツ(Watts)で見つけた900円(税込み990円)の完全ワイヤレスイヤホン「ワイヤレスBTイヤホン HDL-4423」(発売元:株式会社ヒロ・コーポレーション)について、スペックや見た目、実際に使ってみての音質などのレビューをお送りします。
「ワイヤレスBTイヤホン HDL-4423」の特長・仕様
- 本体片側約4gの軽量デザイン
- シンプルデザイン・物理ボタン採用
- 充電ケースに液晶を搭載、バッテリー残量がわかりやすい
- 対応コーデックはAAC・SBC
- 付属品が充実
ワッツ(Watts)で見つけた「ワイヤレスBTイヤホン HDL-4423」は、ブラック1色のシンプルなデザインが特長のイヤホンです。
最近では珍しくなってきた物理ボタンを採用しているので、誤動作は少ないと思います。
また、お値段のわりには充電ケースに液晶を搭載していたり、AACコーデックに対応していたりと、格安ワイヤレスイヤホンとしてはそこそこの機能を搭載しています。
メーカーのヒロ・コーポレーションから紹介動画が出ていたので、紹介させていただきます。
詳細仕様
「ワイヤレスBTイヤホン HDL-4423」の詳細仕様は、パッケージに書かれている商品仕様以上のものはほとんどわかりません。
スペック上の良い点は、特長のところに書いたとおり、AACコーデックに対応している点があげられますが、いまいちな点としては、本体のバッテリー容量が30mAhしかなく、それにつられて本体の連続再生時間も3時間程度に抑えられている点が挙げられます。
また、特に防水に関する記載はないので、防水性能はないと考えて良いと思います。
- イヤホンタイプ:カナル型、ビーンズ型
- 対応コーデック:AAC、SBC
- Bluetoothバージョン:不明
- 連続再生時間:イヤホン本体約3時間、充電ケース併用で約10時間(推定値)
- 急速充電:なし
- ドライバー型式:ダイナミック型
- ドライバー:不明
- 防水性能:なし
- アクティブノイズキャンセリング:なし
- 外音取込モード:なし
- 通話時ノイズキャンセリング: 不明
- 低遅延モード:なし
- 着脱検知機能:なし
- マルチペアリング機能:なし
- 本体サイズ:17mm x 22mm × 28mm
- 本体重量(およその実測値):片耳3.6g
- 充電ケースサイズ:63mm x 40mm x 29mm
- 総重量(本体+充電ケース): 31.2g
- ワイヤレス充電:なし
- 充電ケースバッテリー容量:150mAh
- 充電端子:USB Type-C
- 対応アプリ:なし
パッケージ内容
「ワイヤレスBTイヤホン HDL-4423」のパッケージ内容は、100円ショップの完全ワイヤレスイヤホンとしては充実していて、本体のほか、イヤーピース(S/M/L、Mは本体に装着済)、充電ケーブル(USB Type-C)、取扱説明書です。
取扱説明書の最終ページは保証書となっていて、6か月間の保証がついています。購入時のレシートは購入証明書になりますので、万一に備えて一緒に保存しておくと良いでしょう。
「ワイヤレスBTイヤホン HDL-4423」の外見
本体
「ワイヤレスBTイヤホン HDL-4423」本体の外見は非常にシンプルなビーンズ型で、まさに100円ショップのワイヤレスイヤホン!という形状です。表面は非光沢で、指紋はあまり目立たないようになっています。
手前側が全面物理ボタンになっていて、やや硬めの押し心地です。
形状はシンプル、加工精度はそれなりといったところです。
左右非対称で、内側にLR表記があります。
バッテリーの容量が少ないこともあって、サイズは小さめです。
仕様に書かれている重量は4gですが、実際は3.6g程度です。
充電ケース
充電ケースもいかにもプラスチックという感じで、表面は非光沢処理が行われています。工作精度はそれなりですが、比較的マシなほうだと思います。
裏面にはいろいろ書かれています。
ふたはマグネットで固定する方式ではなく、ツメで固定する方式なので、とても開けにくく、安っぽいつくりです。
内側には充電ケースの残量が数字でわかるLEDがついていて、これは見やすいです。
背面に充電用のUSB Type-C端子がついています。充電用のACアダプタはついていませんが、5V 500mA以上のものならOKのようです。モノによってはPD対応充電器ではNGの場合がありますが、本機はPD対応充電器でも1Aで問題なく充電できていました。
充電ケースの大きさは決して小さくないですが、大きくもないです。
本体(L/R)+充電ケースを合わせた重量は31.2gで、とても軽いです。
「ワイヤレスBTイヤホン HDL-4423」の接続方法
「ワイヤレスBTイヤホン HDL-4423」をはじめて使用する際は、ペアリング作業が必要です。
デバイス名が「S8」と、いかにも安物らしい名前で不安になりますが、仕様どおりAACコーデックで接続されることが確認できます。
「ワイヤレスBTイヤホン HDL-4423」の操作方法
「ワイヤレスBTイヤホン HDL-4423」の操作は左右のボタンを押すことで行います。タッチセンサーではないので、本体を強めに押してカチっという音を確認する形になります。
本体のみで音量や曲送り・戻しなど一通りの動作を行うことができます。
再生/一時停止 | L(左)またはR(右)を1回クリック |
音量を上げる | R(右)を2回クリック |
音量を下げる | L(左)を2回クリック |
次の曲へ | R(右)を2秒長押し |
前の曲へ | L(左)を2秒長押し |
電話にでる/切る | L(左)またはR(右)を1回クリック |
着信拒否 | L(左)またはR(右)を2秒長押し |
音声アシスタント(Siri/Google) | R(右)を3回クリック |
ノイズキャンセリングモード切替 | – |
低遅延モード(ゲームモード、ムービーモード) | – |
電源ON/OFF | ON:L(左)/R(右)を3秒長押し OFF:L(左)/R(右)を5秒長押し |
「ワイヤレスBTイヤホン HDL-4423」を使ってみた!
音質について
本機「ワイヤレスBTイヤホン HDL-4423」で音楽を初めて聴いた時、ずいぶんシャリシャリしていて、音が詰まっている感じがして、結構びっくりしました。
一瞬逆位相(+と-の接続が左右で逆になっている状態)かと思ったのですが、確認してみると正常に接続されている様子。
どうやらこのイヤホン、おそらくソフトウェア的に音を強めにいじっているようで、イコライザーの低音域と高音域を上げて、中音域を思いっきり下げたようなチューニングをしているのではないかと思われます。
低音域はしっかり鳴っていて、響くようなベースやバスドラムの音などもそれなりに破綻なく鳴らしてくれます。
中音域はかなり閉塞感があって抑えられており、ボーカルやギターは引っ込んで聞こえてきます。その代わり、100円ショップのイヤホンにありがちなボワッっとした感じは皆無で、だいぶタイトな鳴り方をしている印象です。
高音域はこれでもか、というくらい鳴っていて、シャリシャリ感がかなり強い印象です。ドラムのシンバルとかハイハットの音は耳につく感じがするくらい高音域は強いです。
全体的な感じはとてもクリアで、ドンシャリな感じは悪くないのですが、高音が強いので粗削り感があるのと、中音域が痩せてしまっているので若干音が薄っぺらく感じてしまう点がとても惜しいところです。
主にダイソーで売っている1000円の完全ワイヤレスイヤホンのいくつか(TWS002、TWS003、DG036-01、DG036-02、TWS_G273_3、TWS_G273_4)と比較してみましたが、音のこもり感のなさはDG036-02並みかそれ以上で、良いレベルです。一方で、中音域の豊かさに関してはどの機種よりも低めの印象、低音域は本機HDL-4423も良好、高音域はHDL-4423が一番出ているが刺さり気味、といったところです。
装着感について
本機は軽くて小さいので、装着感は良好です。装着の際は、縦にして耳に入れた後で、下の写真のように斜めになるように、反時計回りにひねって密閉感が高いポジションを探すと良いと思います。
でっぱりも少ないので、寝ホンとしても使えます(が、音質がわりと刺激的な傾向なので、音質的には向いていないと思います)
マイクの音質・動画の視聴・ボリューム調整
マイクの音質
本機「ワイヤレスBTイヤホン HDL-4423」は、本体のLEDランプの部分にマイクが内蔵されています。実際にWeb会議を使って試してみたところ、拾われる声は小さく、途切れがちで聞き取りにくい音声でした。
実用性は低く、緊急避難的に使うのであれば、大きくはっきりした声で話す必要がありそうです。
動画の視聴
本機「ワイヤレスBTイヤホン HDL-4423」で意外だったのが、動画の視聴です。「S8」という接続名やケースのつくりなどから、動画の遅延が激しいのではないかと想像していたのですが、案外そんなことはなく、ニュースや音楽などをひととおり見てみましたが、普通に違和感なく視聴できました。
動画視聴用途としては悪くないと思います。
iPhone接続のボリューム
iPhone接続時のボリュームに関してですが、最小ボリュームはAirPods Proの2段階目くらいと、割と小さめの音量で、2段階目は静かな環境ではちょうど良いくらい、3段階目でやや大きめの音になります。
ただし、最低ボリュームと2段階目のボリュームはコントロールが雑?なのか、操作によってはボリュームゼロから音量を上げると2段階目まで上がってしまったり、2段階目からボリュームゼロになったりといった現象がたまにおきます。こうなっても次の操作で調整はできるので、さほど問題はありませんが、、、
「ワイヤレスBTイヤホン HDL-4423」のまとめ
ワッツ(Watts)で見つけた税込み990円の完全ワイヤレスイヤホン「ワイヤレスBTイヤホン HDL-4423」(株式会社ヒロ・コーポレーション製)は、見た目やケースのつくり等は価格相応に安っぽいですが、充電ケースのバッテリー残量がわかるLEDを搭載していたり、本体はAACコーデックに対応しているなど、案外ソツのないつくりに仕上がっているワイヤレスイヤホンです。
音質面では好みが分かれるところではあると思いますが、高音域重視のつくりでこもり感の少なさは100円ショップの完全ワイヤレスイヤホンとしてはトップレベルと言えます。一方で、いわゆるドンシャリ傾向が強い音質で高音域がややうるさかったり、中音域を減らしすぎていて音がやや引っ込んで聞こえるといった点で、とても個性的な音づくりになっている点は、好みがはっきりわかれるものと思います。
動画視聴時の遅延は違和感をほぼ感じないレベルで、マイクは他の100均のワイヤレスイヤホン並みといったところです。
ダイソーのいくつかの機種と比べてみると、音質面では個性的なので好みはわかれると思いますが、個人的にはそんなに悪くはないほう、ケースはLED表示が優れている一方でフタの固定がマグネットではないのでイマイチ、動画視聴や対応コーデック(AAC)といった面では優れているほう、という感じです。
今、100円ショップに売っている完全ワイヤレスイヤホンは、ざっと10種類程度~12種類程度確認していますが、本機HDL-4423に関しては、ドンシャリ(低音と高音を強調した音)傾向の音づくりが好きな方にはそこそこオススメできる機種ではないかと思います。
バランスの取れた良い音ではないかもしれませんが、一定のクオリティはあると思いますので、990円の価値は十分あるのではないかと思います。
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