ここ数年、カナル型、インナーイヤー型、骨伝導型に続いて多数の製品を見かけるようになったオープンイヤー型のワイヤレスイヤホン。
3coinsでも「オープンイヤーイヤーカフイヤホン」という名前で、イヤーカフのように耳に挟むようにつけるイヤホンが2024年4月に発売されました。
そして2024年8月、今度は耳に引っ掛ける形のオープンイヤー型イヤホンが登場しました。本記事では、今回登場した3coinsの「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」について、スペックや外見、実際に使ってみた音質や使い勝手などをレビューしていきたいと思います。
そもそも「オープンイヤー型」って何なの?
今回ご紹介する「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」は、端的に言えば、スピーカーを耳の穴(外耳道)のそばに置いて、音を鼓膜まで届かせる方式です(下図の「空気伝導」に該当します)。
原理としては普通のイヤホンと一緒ですが、耳をふさがないよう工夫されていて、外の音が聞き取りやすいようになっています。
3coins「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」の特徴
- 耳穴をふさがず周囲の音を遮断しない「オープンイヤー型」
- 落下しにくく、トレーニングやランニングなどの運動をする際にもおすすめ
- ケースは基盤が見えるクリア仕様で電池残量表示機能付き
- オープンイヤー型のイヤホンでお値段2,000円
3coins(スリーコインズ)のオープンイヤーワイヤレスイヤホンの一番の特徴は「オープンイヤー型」を採用していることでしょう。
耳を完全にふさがず、周囲の音も一定聞こえてくるので、お子さまがいるご家庭などで、音楽を聞きながら子供の様子を気にしつつ家事をするとか、オフィスで周囲と会話をしつつWeb会議や電話に対応する際などに役に立ちます。
本機の特徴2つ目として、ケースが独特なことがあげられます。オープンイヤー型のワイヤレスイヤホンはどうしてもケースのサイズが大きくなりがちですが、本機は表裏両面に本体を収納することで大きさの問題を解決しました。
そして、デザインはクリア仕様で基盤が丸見えで、さらに電池残量表示用のLEDまでついていて、とても独特です。
3つ目はお値段なんと2000円(税込み2200円)。オープンイヤー型のワイヤレスイヤホンの中では最安値クラスといっていいと思います。
3coins「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」の仕様・外見
3coinsの「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」のスペック・外観を確認していきます。
イヤホン部
3coinsの「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」のスペックは、2024年に発売されたイヤホンのスペックとしては標準的と言えます。
使われているBluetoothチップセットは、格安ワイヤレスイヤホンではおなじみの中国のメーカー「珠海市杰理科技(ZhuHai JieLi Technology Co., Ltd)」製の「AD6973D4」だと思われます。「AD6973D4」は、Bluetooth Ver.5.3、AAC/SBCコーデックに対応したチップセットです。
防水性能はIPX4(いかなる方向からの水の飛沫によって有害な影響を受けない)です。運動に伴う汗や庭仕事などでちょっとした水しぶきを浴びるレベルであれば問題なし、という感じです。
- 対応コーデック:AAC, SBC
- Bluetoothバージョン:5.3
- 連続再生時間:約6時間(本体のみ)
- 防水性能:IPX4
- 重量:片耳約10g
- サイズ:縦5.6cm×横幅3.8cm×厚み1.3cm
外見
オープンイヤー型のイヤホンとしてはオーソドックスな形をしています。カナル型等のイヤホンと比べると当然ながら大きいです。
モノとしてのつくりは良好で、2000円という値段相応の仕上がりかとおもいます。
裏側はこんな感じ。写真真ん中よりちょっと上の黒い楕円形の部分から音がでてきます。
本体(片耳)の重量は実測で9.6gでした。
充電ケース部
3coinsの「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」のケースは独特のデザイン・形状をしています。やや大きめ、重めです。
- バッテリー充電時間:約1.5時間
- イヤホン充電回数:約2回
- ストラップ長:14.5cm
- 重量:約45g
- サイズ:縦6.6cm×横幅4.6cm×厚み4.0cm
- 充電端子:USB Type-C
外見
本体を外した状態のケース。右側の本体を収納する面には、電池残量表示用のLEDがついています。クリア仕上げなので、中の基盤が丸見えです。
左側の本体を収納する面です。こちら側は特に何もありません。
収納するとこんな感じです。シリコン製のストラップが最初からついています。
本体を両側に収納した状態での充電ケース重量は実測62.9gでした。
内容物
3coins「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」のパッケージ内容は、本体、充電ケース、USBケーブル、取扱説明書です。
取扱説明書は保証書を兼ねていて、6か月間の保証がついています。いざというとき安心です。
3coins「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」の装着方法
3coins「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」の装着方法は、多少慣れが必要な部分があるかと思います。
説明書によると、イヤーフックを耳に掛けたら回転させて出音が良くなる位置を探すと良いようです。
3coins「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」の接続方法
3coins「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」をスマートフォンに接続するには、最初にペアリングを行います。1度ペアリングすれば、2度目からは自動でつながるようになります。
iPhone、Androidとも、[設定]アプリから[Bluetooth]を選択してデバイスを追加します。
Androidでみれば、AACコーデックで接続されていることがわかります。
3coins「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」の操作方法
再生/一時停止 | L(左)またはR(右)のタッチセンサーを1秒長押し |
音量を上げる | L(左)のタッチセンサーを2回タッチ |
音量を下げる | R(右)のタッチセンサーを2回タッチ |
次の曲へ | L(左)のタッチセンサーを3回タッチ |
前の曲へ | R(右)のタッチセンサーを3回タッチ |
電話にでる/切る | L(左)またはR(右)のタッチセンサーを1回タッチ |
着信拒否 | L(左)またはR(右)のタッチセンサーを1秒長押し |
音声アシスタント(Siri/Google) | – |
ノイズキャンセリングモード切替 | – |
ゲームモード切替 | – |
電源ON/OFF | L(左)またはR(右)のタッチセンサーを3秒長押し |
操作は左右のタッチセンサーで行います。写真赤丸部分がタッチセンサーになっています。
3coins「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」を使ってみた!
音質について
3coins「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」の音質は、バランスの取れた、聞いていて違和感が少ないサウンドに仕上がっているように思います。
実際に装着して聞いてみると、若干シャカシャカしていますが、なかなか良いバランスです。低音域は当然ズンズン響くような鳴り方はしませんが、低音が鳴っているんだなぁというのがわかる程度には聞こえてきます。
中音域はぼやけることなく、ややドライなバランスで鳴り、高音域は全体のバランスの中で違和感ない鳴り方をしています。
音の解像感はわりとちゃんとしていて、こもり感を感じることはまずありません。スピーカー部分を耳のごく近くに持ってくると、案外良い音で鳴っていることが確認できます。
装着感について
3coins「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」の装着は、耳の上側に引っ掛けるように装着します。
構造上、眼鏡をかける人においてはテンプル(つる)と干渉してしまいます。眼鏡をはずして本機を耳に掛けて、その上に眼鏡のテンプルを乗せるような感じで装着する格好になります。
装着感に関しては、特に圧迫感が合ったりといったことはなく、なんか耳に引っかかっているなぁといった感覚です。写真右側のように、少し耳珠のあたりに当たる感じなので、長くつけていると違和感を感じるかもしれません。
結構しっかり耳に引っかかっているので、ジョギング程度では落ちることはありませんでした。
マイクの音質・動画の視聴・ボリューム調整
マイクの音質
3coins「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」のマイクを使ってWeb会議をしてみたところ、若干こもりは見られるものの、相手にちゃんと言っていることが伝わる音質です。
特に会話時ノイズキャンセリング機能などはついていなさそうなので、静かなところで使うと実用的なのではないかと思います。
動画の視聴
動画の視聴をする際の音と映像のズレについては、本機はまあまあといったところかと思います。概ね違和感なく視聴できるのですが、たまにちょっとずれてるかな?と思う瞬間があります。
ほとんどの場合で違和感なく見ることができるので、実用的には問題ないといってよいと思います。
iPhone接続のボリューム
iPhoneでは最低ボリュームのときでも大きな音になってしまうワイヤレスイヤホンがたまにあるのですが、本機は最低ボリュームだとほぼ聞こえない、最低から2番目でもかなり小さな音で鳴ります。
周囲の音がかき消えないように小さな音で音楽を聞きたい、といった用途にもぴったりです。
3coinsの「イヤーカフイヤホン」と比べてみる
2024年8月時点で、3coins(スリーコインズ)で併売されている「オープンイヤーイヤカフイヤホン」と比較してみます。
「オープンイヤーイヤカフイヤホン」(下写真左)も、「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」(下写真右)同様、オープンイヤー型のイヤホンですが装着の仕方が違います。
大きさは「オープンイヤーイヤカフイヤホン」のほうが全体的に小さめで、充電ケースも一般的な完全ワイヤレスイヤホンの大きさに近いです。
装着感に関して、眼鏡をかける方については、眼鏡のテンプル(つる)と干渉しないので、「オープンイヤーイヤカフイヤホン」のほうが良いかと思います。
音質に関しては、「オープンイヤーイヤカフイヤホン」よりも「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」のほうが音が引き締まっていてバランスが良いように思います。
マイク性能は「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」のほうが良いように思います。
どちらのイヤホンも2000円(税込み2200円)の割にはなかなか良いと思いますので、用途や好みに応じてどちらかを選ぶと良いと思います。
3coins「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」のまとめ
3coins(スリコ)のワイヤレスイヤホン「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」は、ケースがクリア仕上げで本体を両側に収納する形がユニークな、オープンイヤー型のワイヤレスイヤホンです。
2000円という低価格ながらオープンイヤー型を採用しており、手ごろな値段でちょっとオープンイヤー型を試してみたい、というニーズにばっちり応えられます。
本機はオープンイヤー型にもかかわらず充電ケースはコンパクトにまとまっています。それはケース両側に収納するという珍しい形で実現しています。また、ケースはクリア仕上げで、なんとなくオシャレな仕上がりです。
本体の音質に関しても、そこそこ満足できるレベルにまとまっていると言え、実用性十分な仕上がりといってよいのではないかと思います。
本機3coins「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」は、音楽などをききながら周囲の音も把握しておきたい、あるいは、普段つけっぱなしにしておいて、急にかかってきた電話などに対応する、といった用途にオススメの機種です。
ちなみに、当サイトでは過去に、本機と同じオープンイヤー型の「TRUEFREE O1」をレビューしています。「TRUEFREE O1」は、本機「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」と使い勝手はほぼ同じで、音質が一段上(低音が良く聞こえて迫力が上がる)な仕上がりです。
3coinsの「オープンイヤーワイヤレスイヤホン」でもまずは十分かと思いますが、一つ上の音質を求めるなら、選択肢の一つとして考えても良いかもしれません。
コメント