2024年5月13日に発売された、スリーコインズの新作ワイヤレスイヤホン「ENC搭載ANCワイヤレスイヤホン」。ANC機能とは、「アクティブノイズキャンセリング」の頭文字で、周囲の音を打ち消して、イヤホンの音を聞こえやすくする機能です。
スリコでは昨年(2023年)7月にも、同じ3000円でANC機能搭載した機種を発売しましたが、その後再発売されることなく消えてしまいました。久々登場したANC機能を搭載した本機を、発売日にゲットしてきましたので、まずはファーストインプレッションをお届けします!
「ENC搭載ANCワイヤレスイヤホン」の特徴・機能
- 周囲の騒音や雑音を低減し、音楽をより楽しめるアクティブノイズキャンセリング搭載
- 通話時、環境音を低減しクリアな音声を相手に届けるENC機能
- イヤホンを装着したまま周囲の音を聞くことができる環境音取り込み機能
- SBC/AACコーデック対応
- 連続再生時間約7時間、2.5回のケース充電
- IPX4相当の防水機能
本機「ENC搭載ANCワイヤレスイヤホン」の最大の特徴は、3,000円(税込み3,300円)というお値段ながら、アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能を搭載した、コストパフォーマンスに優れる機種ということです。
ANC搭載機なので、周囲の音を取り込んで、イヤホンをつけたままでも会話等ができる「環境音取込み」モードも搭載しています。
また、通話に関しても、周囲の音をカットしながら、相手にクリアに音声を届けるENC(Environment Noise Cancellation)機能を搭載しています。これはWeb会議や電話等で効果を発揮します。
さらに、AACコーデックへの対応、連続再生時間7時間、IPX4(生活防水レベル)ながら防水性能も有するなど、一通りの機能を備えており、2023年くらいからの標準的なイヤホンの性能を有しています。
スマートフォンに接続すると「seald music」という名前で、AACで接続されます。
パッケージ内容
パッケージは本体のほか、充電ケース、イヤーピース(S/M/L、Lは本体に装着)、充電用USBケーブル、取扱説明書兼保証書(保証期間:6か月)です。
珍しいことに、イヤーピースはLサイズがデフォルトでついています。なるべく密閉度を高めてANCの効きを良くしようという意思を感じます。
外観
充電ケース
充電ケースはやや大きめで、サイズは縦5.8cm×横6cm×厚さ2.5cmです。ケースのつくりは若干安っぽさを感じる出来具合で、ふたががやや薄っぺらく、磁石が入っていると思われる個所が外側からわかってしまうような感じです。(下写真の上部、2つの丸がうっすらとわかると思います)
ふたに丸いボタンのようなものがありますが、これはボタンではなく、ここを押さえながら横にスライドするとくるっとふたが回転して開く仕組みです。スライドして上に動くわけではないです。
完全に開くとこんな感じです。内部はかなり余裕があるつくりです。バッテリー残量を示すLEDは白色です。
本体
本体部分はスリコには珍しくやや角ばった無骨なデザインをしています。LEDが白色なこともあってか、本体はケースほど安っぽいイメージはありません。
スティックの下端部分にはマイクが搭載されています。
ジョイント部分の形状は楕円形で、イヤーピースも同様です。前述のとおり、イヤーピースはLサイズが最初から装着されています。イヤーピースのでき具合はそれなりに良さそうな感じです。
音質レビュー(ファーストインプレッション)
まだ買って数時間の状態で、深く聞きこんだり慣らし運転を行っているわけではなく、ざっと聞いた印象ですが、音質はすごく良いとは言えない印象でした。
全体的にはややこもりがちな印象で、1枚布を挟んだような輪郭が曖昧で柔らかい音です。全体的に音は中心に集まって近いところで鳴っているような印象で、音の広がり感はあまりありません。
低音域はぼわっとしているもののかなり強め、中音域は前にでてきて聞きやすいですが、こちらもぼんやりしている印象、高音域はかなり控えめ、というような感じです。女性ボーカルやギター系の音は割と前に出ている印象ですがシャープな感じはありません。
音が破綻しているということはなく、決して聞けない音質ではないのですが、すっきりした音が好みであればやや不満が残るかもしれません。柔らかい感じの音が好きならばあまり気にならないかもしれません。
音の傾向は、かなり前からずーっと売っている、カナル型イヤホンと似ている気がします。
アクティブノイズキャンセリング性能
こちらもまだしっかり試したわけではないですが、家の中で空気清浄機の音などで試してみたところでは、そこそこ効果は実感できました。また、近所の線路近くで確認してみたところでは、こちらも低音域を中心に効果を感じられるレベルでそこそこ効いていました。
(2024/7/3追記)電車の中では、軽減効果を実感できるレベルでそこそこ音が消えますし、音楽等は若干ながら聞きやすくなる印象です。とはいえ、やはりAirPods Proほどではありません。また、EarfunやSOUNDPEATSのような、Amazonで人気のワイヤレスイヤホン専業メーカーのモノと比べても、やや劣るレベルです。
人が多い駅構内の雑踏では、ANCをONにしても、OFFにしてもさほど違いはない感じです。
まとめ
今回は、スリコの「ENC搭載ANCワイヤレスイヤホン」について、買ってすぐ確認できる部分のレビューを行いました。
本機の最大の特徴はアクティブノイズキャンセリング機能ですが、何となく家の中や近所の散歩で確認する限りでは、軽減効果がありそうな感じです。ただ、実用的かどうかについては、きちんと電車の中や人がたくさんいるところなどで試してみる必要があり、実際に試してまた印象を書いていきたいと思います。
音質面に関しては、こもったような音でややぼんやりしていますが、柔らかくて聞きやすい感じの音です。低音域はしっかり強めですが、高音域は物足りないので、日本人が一般的に好きとされるパキっとしたドンシャリの音とは違います。クリアな音が好みであればもしかしたら不満が残るかもしれません。
(2024.7.3追記)6月後半には店頭から消えつつある状況なので、今から買うのは困難かもしれませんが、これを買うぐらいなら、もう少し値段を出して4~5千円のANC付きイヤホンを購入したほうが良いと思います。
ここのところの円安で、だんだん5000円以下のANC付きイヤホンは消えつつありますが、この中でも「Edifier X5 Pro」はこの価格帯の中では良好で、ANCも本機よりも少しだけですが強いレベルで効きます。
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