当サイトでは、100均で売っているイヤホンをよくレビューしているので、なかなか個性的なサウンドのイヤホンで音楽を聞くことが多いです。中でも100均の完全ワイヤレスイヤホンは、概ね1000円(税込み1100円)が最低ラインの価格で、そこそこのお値段しますが、モノとしての出来具合だったり、音質の面では完全にオススメとまでは言い切れないことが多いこともまた事実です。
なので、もうちょっとお金を出して、なるべく安価で音楽をもっといい音で楽しめる満足度の高いイヤホンも選択肢として紹介したいと思っていますが、これまでオススメしてきたGEO(ゲオ)の「GRFD-SWE100QT13」は生産終了してしまい、その次がなかなか見つかりません。
そんな中、今回紹介するアユートの「SHO-U D1」が「家電批評ベストバイ2023」に選ばれたという記事を見かけました。記事曰く、「ジャンル問わず聴ける高音質」で、「5000円以下の格安イヤホン7製品の比較でベストバイになった製品」だそうで、とても良さそうな内容でした。記事を見た1月中旬時点で、Amazonで約2000円で売っていたこともあり、興味本位で買ってみることにしました。
製品の特長・性能概要
- Bluetooth 5.2対応の完全ワイヤレスイヤホン
- 高性能8mmダイナミックドライバー搭載
- 片側約3.4gの小型軽量設計で耳に快適フィット
- IPX4相当の防水性能
- SBC、AACコーデックに対応
- 再生時間:最大約4時間 ※充電ケース併用で最大約12時間
- 片耳だけでも使用可能
アユート「SHO-U D1」は、スペックなど目に見える部分で特質すべきものはさほどありませんが、低価格帯の完全ワイヤレスイヤホンの標準的な機能をひととおり網羅しています。
Bluetoothのバージョンは5.2。2023年末~2024年に登場している新製品は5.3が増えていることもあり、目新しさはありません。
再生時間は約4時間、ケースを入れても最大12時間と、実用上は問題ない時間が確保されていますが、最近発売される機種と比較するとやや物足りない印象です。
対応コーデックはSBCとAAC。安価な機種にもかかわらず、AACに対応しているのは良いポイントです。防水機能も装備しており、汗や水などが多少かかっても大丈夫なIPX4相当の性能です。片耳のみでも使用可能ということで、機能面ではオーソドックスですが、概ね対応すべきところはきちんと押さえています。
パッケージ内容
パッケージの内容は、本体、充電ケース、USB Type-Cケーブル、イヤーピース(S/M/L、Mは本体に装着済)、取扱説明書、製品保証カードです。写真では袋に入れたままですが、イヤーピースは本体と同じMint色で統一されています。マニュアルは日本語専用だったり、1年保証がついていて、保証カードが入っているところも含め、価格が安い割にはきちんとしている印象です。
外観・使用感
充電ケース
充電ケースは丸っこい形をしていて、小さくもなく、大きくもなく、持った時に手になじみやすい形をしています。充電ケースの大きさは、約62×32×42mmです。ケースはプラスチック製で、高級感こそありませんが、つくりはしっかりしています。充電用の端子はUSB Type-Cです。
ケースの開閉部分に大きな切り込みが入っているので、この形状の充電ケースの中ではかなり開けやすいほうです。切り込み部分には充電ケースのバッテリー残量を示す白色LEDがついています。充電ケースを開けると本体が光ります。イヤホン本体はやや軽い台形状で滑りやすく、若干取り出しにくいです。
充電ケースの重量はスペック上約39.2g、本体収納時の実測で約43gでした。
本体
本体は小型で、大きさ約24×17mmです。写真の灰色の部分が白く光ります。どことなくガンダムとかロボットモノのイメージが・・・
形状は至ってシンプルです。イヤーピースは本体色と同色で、形状は普通の円形です。
重量はスペック上3.4gですが、実測では3.7gくらい。最近のイヤホンだと4g後半~5g前後が多いので、重量は軽いほうです。
装着感
小型なので装着感は悪くないです。すっぽり耳に入り、特段違和感はなく、圧迫感もさほど感じません。
厚みもそんなにないので、耳から出っ張りが目立つといったこともなさそうです。
音質・使い勝手
音質はかなり良好
タイトルであえて書きましたが、本機、アユート「SHO-U D1」の音質は、雑誌のベストバイに選出されるだけあって、2000円台というお値段という中ではかなり良いほうだと思います。
まず、低音から高音まで元気よく鳴り、音がかなりクリアです。各楽器、音がきちんと輪郭を持って聞こえてきますので、このお値段にしては解像感がかなり高いと思います。音の広がり、空間的な広ささはありますがそこまで広くはなく、やや近いところで音が鳴っている印象です。
低音域はあまり強調されておらず、人によっては物足りなさを感じるかもしれません。とはいえきちんと鳴っていて、ボワ付きはなく、定位感も良いです。低音域の中でも低い領域の音も息切れせずなりますし、バスドラム等のズンズン感もあります。かといってほかの領域を侵食してしまうこともなく、主張がものすごく強いわけでもないので、良いバランスだと思います。
中音域も明瞭です。ボーカルもしっかり聞こえますし、ピアノの音にはハリがあり、エレキギターの音の切れ味も十分です。スネアドラムのアタック感や、タムの張り感なんかも感じることができますので、このお値段にしては表現力が豊かだと思います。
高音域についても良好で、安いイヤホンにたまにあるざらついたような無理矢理出しているような感覚はなく、きれいに音が出ていると思います。もしかしたら感じ方によっては多少やかましく聞こえるかもしれません。Androidで聞くと気持ち高音域にまとまりが欠ける印象で、iPhoneのほうがよくまとまって聞こえる気がします。
使い勝手(遅延・音量・マイクの音質など)
動画視聴時の遅延
本機を使ってYoutubeを視聴してみたところ、残念ながら多少の遅延がある感じです。動画によって気にならないものもありますが、違和感を感じることもゼロではなさそうです。Xiaomi Mi11 Lite 5Gで計測してみたところ、レイテンシー(遅延)は509msでした。スマホ本体由来の遅延が70ms程度なので、差し引き430ms。遅延は残念ながらダイソーの完全ワイヤレスイヤホン並みです。
iPhone接続時の音量コントロール
iPhoneに接続して使う場合、音量のコントロールが雑で、最低限のボリュームにしてもかなり大きめになってしまう場合があります。本機のボリュームコントロールは優秀なほうです。最低音量はAirPods Proの2段階目くらい、そこからのボリューム増加は滑らかで、急に大きくなることはなく、だんだん大きくなっていく、当たり前といえば当たり前のボリュームコントロールです。
マイクの性能
マイクの音質はあまり良いわけではありません。Zoomを使って確認してみたところ、全く声を拾わないというわけではありませんが、ややこもったような音で相手に伝わります。本機を電話やWeb会議で使う際は、大きな声ではっきり話すほうが良いと思います。
まとめ
アユート「SHO-U D1」は、雑誌でベストバイに選出されただけあって、3000円以下で購入できる完全ワイヤレスイヤホンの中では、音質はかなり良いほうに入る製品だと思います。
本機は黒とミントの2色展開で、2024.1.20現在で購入できるのはミント色のみです。今回購入したミント色は、一般的には女性受けの良い色合いかと思いますが、本体の個性的なデザインは逆に男性受けがよさそうなデザインで、デザイン的にはなかなか微妙なラインだと思いました。
音質については何度も書いていますが、この価格帯の中では今まで聞いた中でもトップクラスに良いサウンドです。以前からオススメしていたゲオの「GRFD-SWE100QT13」よりもぼんやり感がなくクリアなサウンドを聞かせてくれるので、最初に聞いた時は結構びっくりしました。ケチをつけるとすれば、高音域がクリアに良く出るのですが、それが災いして体調や好みによっては多少高音が耳につく場合もあるかもしれません。
残念なところは、動画の遅延で、気にならない動画もあるのですが、気になる動画は気になるので、動画中心で使ったり、ゲームに使ったりするのはやや不満が残るかもしれません。
本機は、動画はたまに使う程度で基本的に音楽を中心に使い、見た目はあまり気にしないからとにかくなるべく安くて良い音で鳴る完全ワイヤレスイヤホンが欲しい、といった方にオススメです。
逆に、動画視聴が中心だったり、Web会議で頻繁に使いたいという方は、別なイヤホンを探したほうが良いかもしれません。音質をあまり気にしないということであれば、例えば「Redmi Buds 4 Active」だと2000円未満で購入できます。
Appendix. 操作方法
再生/一時停止 | L(左)ボタンまたはR(右)ボタン×1回タッチ |
音量を上げる | R(右)ボタン×3回タッチ |
音量を下げる | L(左)ボタン×3回タッチ |
次の曲へ | R(右)ボタン×2回タッチ |
前の曲へ | L(左)ボタン×2回タッチ |
電話にでる/切る | L(左)ボタンまたはR(右)ボタン×1回タッチ |
着信拒否 | L(左)ボタンまたはR(右)ボタンを2秒長押し |
音声アシスタント(Siri/Google) | L(左)ボタンまたはR(右)ボタンを3秒長押し |
ノイズキャンセリングモード切替 | – |
ゲームモード切替 | – |
ペアリングモードへ入る(リセット) | – |
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