Anker Soundcore P2i レビュー 4000円台で買える、シンプルな完全ワイヤレスイヤホン

Ankerのイヤホンといえば、コストパフォーマンスに優れた良いイヤホンを作ることで評判が良く、Amazonでも様々な機種が売り上げ上位にランキングされています。

Ankerから2022年2月15日に発売された完全ワイヤレスイヤホン「Soundcore Life P2i」は、通常価格4,290円、時々やっているセールで買えれば3,000円台になる、比較的低価格なイヤホンです。

発売したばかりの時に3,500円程度で購入して、しばらく使ってきました。実際の使い勝手や音質などをレビューしたいと思います。

概要・特徴

Soundcore Life P2iの特徴は以下のとおりです。

イヤホン単体で8時間再生できるのは割と長いほうで、充電ケースとあわせれば28時間も使えます。仮に通勤・通学が片道1時間だとすると、2週間くらいは充電しなくてもバッテリーが持つスペックです。日常の使用においては、1週間に1回、週末に充電しておけば十分なのでとてもラクです。USBコネクタの形状はイマドキのUSB TYPE-Cに対応しています。

防水規格はIPX5に対応。IPX5は日常生活防水より上の性能なので、運動時の汗や水濡れくらいであれば問題なく使えるレベルです。

パッケージに入っているのは、本体＋充電ケース、USB-Cケーブル、イヤーピース、マニュアル類になります。イヤーピースは本体についているものとあわせて、3種類の大きさが付属しています。

外見

充電ケースは非常にシンプルなデザインです。光沢があるので、触ると指紋がついてしまいます。これはイマイチ。ふたの部分は指が引っかかるようにほんの少し出っ張りがあって、開けやすいように工夫がされています。

Airpods Proのケースと比較してみると、横幅は比較的近いのですが、厚みは大きな差があって、Anker Soundcore Life P2iのほうが持った時に一回り大きく感じます。

イヤホンの収納ですが、Soundcore Life P2iは柄の部分を外側にしてイヤーピースが向き合う形で収納します。これはイヤホンを耳から外したらそのまましまうことができるので、地味に使い勝手が良いです。イヤホンによっては、イヤーピースが外を向くようにしまうものがあって、こういうのはしまうときに向きを変えなければいけなくて、一瞬イラっとします。Soundcore Life P2iはイラっとすることなくスムーズに収納することができます。

Soundcore Life P2iのイヤホン本体はいわゆる「うどん型」です。外見はプラスチック感満載、高級感は感じられません。光沢がついていて、使っていると汚れが目立ってしまいますので充電ケース同様いまいち。そのイマイチポイントを補って余りあるのが、物理ボタンを搭載しているところです。Soundcoreのロゴの部分がボタンになっていて、押すとクリック感があります。Airpods Proを筆頭に数多くのイヤホンはタッチセンサーになっていて、若干誤動作しやすいのですが、物理ボタンは誤って操作することも少ないので、個人的には非常に使い勝手が良いと思っています。ハウジング部分は若干大きいかな、レベルです。

柄（うどんの部分）は短めです。Soundcore Life P2はこの部分が結構長くて目立つので、Soundcore Life P2iのほうが装着したときの外見上の違和感は少ないと思います。左右表示は柄の内側にわかりやすく書かれています。

音質

全体的な印象・解像感

Soundcore Life P2iを実際に聞いてみると、いわゆるドンシャリ型の音で、とても迫力のある音がします。若干音のエッジが弱い気がしますが、普段聞く程度には申し分ないレベルのクリアさ、解像感があります。100均で買えるイヤホンとはさすがにレベルが全然違います。音の広さも100均とは比較にならないレベルです。上を見たらキリがないですが、1万円を超えるイヤホンと比べると透明感とか音の粒感とかは一歩劣りますが、それでも普段聞くには十分なレベルです。

音域バランス

Soundcore Life P2iの特徴の一つに２つのイコライザーモードがあり、まずは最初に設定されている「低音モード」で聞いてみます。低音域はかなり強いです。バスドラムはドンドン鳴りますし、ベースもブンブン鳴ります。中音域はやや抑えめ、特に中低音域が抑えめにチューニングされているようで、なんていえばいいのか、少し音が抑圧されて聞こえる印象があります。高音域はもちろんしっかり、きっちり鳴っています。ともすれば高音域も強調気味なので、人によっては若干聞き疲れするかもしれません。

全般の印象は悪くないですし、普段電車とかで聴くなら十分な音質ですが、一般的なオーディオメーカーの製品と比べると音作りがやや極端な感じはありました。

今度はボタンを３回押して、音声をクリアに強調する「ポッドキャストモード」を試してみます。

これ、かなり音が変わります。低音域を少し抑えて、中音域をぐっと持ち上げたような音質で、ヴォーカル、ギターがかなり前に立った音に変わります。全体的に忙しい感じの音にかわり、音がグッと迫ってきます。ロックやPopsなどは全体的に賑やかなサウンドで鳴っています。低音モードからボリュームを1段階下げたほうが聞きやすいです。低音域が若干足りなくなる印象はありますが、これはこれはこれでアリです。オーディオメーカーの音作りはどっちかといえば「ポッドキャストモード」に近く、このモードのほうが好きな方も多いと思います。

２パターンのイヤホンをボタン３クリックで変えられるので、とても面白いですし、どっちも悪くないです。

遅延度合い・マイク

Soundcore Life P2iはAACコーデックを搭載しているおかげか、Youtubeを見ても違和感を感じることはありません。ドラムの演奏動画などを見ても全く違和感がなかったので、十分といっていいと思います。

マイクは「AIノイズリダクション」を搭載していて、周りのノイズと音声を分離して、クリアにしてくれるそうです。実際録音して聞いてみると、ノイズがなくなるということはないですが、人の声はとてもききやすく、通話やWeb会議には十分な音質を確保できます。

電波感度も十分で、通勤時間帯の東京駅をウロウロしても特に途切れることはありませんでしたし、扉２枚隔てて10m以上離れても問題なく聞くことができました。

総評

Anker Soundcore Life P2iは、通常価格は4,290円と比較的安価ですし、ちょくちょくセールをやっていて3,000円台で買えることも珍しくないイヤホンです。

低価格な割にはイコライザーモードが２つあったり、連続８時間の再生時間、音質も値段なりに良好です。ケースの持った感じも悪くなく、ボタン1回押すことで音量を操作できたりといった使い勝手も良好と、非常にコストパフォーマンスに優れた完全ワイヤレスイヤホンだと思います。

音質面を重視して、完全ワイヤレスではないBluetoothイヤホンでも良いということであれば、ソニーの「WI-C200」とか、JBLの「TUNE115BT」のほうが全体的な音質のバランスやクリアさは良いと思いますし、ちょっと安いです。しかし、これらはBluetoothイヤホンといえどもワイヤーで左右がつながったイヤホンです。

完全ワイヤレスという使い勝手の良さを考えれば、ほんのちょっと音質を妥協してもSoundcore Life P2iという選択肢は悪くないと思います。

Soundcore Life P2iは、Anker公式ストアや、Amazon.comで購入することができます。

Appendix. ボタン操作一覧

再生/一時停止	Ｒボタン×２回
音量を上げる	Rボタン×1回
音量を下げる	Lボタン×1回
次の曲へ	Rボタン 2秒長押し
前の曲へ	Lボタン 2秒長押し
イコライザー切り替え	LボタンまたはRボタン×3回
着信応答	LボタンまたはRボタン×1回
通話オフ	LボタンまたはRボタン×2回
着信拒否	LボタンまたはRボタン 2秒長押し
音声アシスタント	Lボタン×２回

Appendix. Soundcore Life P2i スペック

重さ	約48g (充電ケース含む) / 約4.4g (イヤホン本体 片耳)
防水規格	IPX5
再生可能時間	最大8時間 (イヤホン本体のみ) / 最大28時間 (充電ケース使用時)
充電時間	約1時間半 (イヤホン) / 約2時間 (充電ケース)
充電端子	USB Type-C
Bluetooth規格	Bluetooth 5.2
Bluetoothプロファイル	A2DP, AVRCP, HFP
対応コーデック	SBC / AAC
パッケージ内容	Soundcore Life P2i、充電ケース、 イヤーチップ (S / M / L) 、 USB-C & USB-A ケーブル、 クイックスタートガイド、安全マニュアル、 18ヶ月保証 + 6ヶ月 (Anker会員登録後) 、カスタマーサポート
製品型番	A39910F1 (ブラック) / A3991021 (ホワイト)