ここのところ、ダイソーのBluetoothイヤホンや300円イヤホンのシリーズは落ち着いてきた感がありますが、ダイソーの本業?である100円(税込み110円)のイヤホンで新製品が出てきました。型番は「ST-MT」で、流行のくすみカラー系のミント色です。ほかにもピンクの「ST-PK」とか、グレーの「SH-GR」とかホワイトの「SH-WH」などが多分新製品です。
100円のイヤホンでもなかなか侮れない音質のモノも存在するのですが(巷では「セリホン」なんて言われているアットキューの「AT-ES11」など)、本品はどんな感じなのか、1種類買って聞いてみました。
外観・特徴など
パッケージに書かれている内容からうかがえる特徴は以下のとおりです。
- マイク・リモコン付ステレオイヤホン
- コードの長さ 約1.2m
- リモコンにクリップ付き
- おしゃれカラー
- 周波数20Hz~20,000Hz
- カナル型イヤホン
おしゃれな色であることを除けばふつうのイヤホンです。しいて言えば、100円(税込み110円)のイヤホンだとコードの長さが1.0mのことが多いのですが、本機「ST-MT」は1.2m(=通常のお値段で売っているイヤホンと同じ長さ)となっているので、良心的と言えるでしょう。ケーブルはしっかりしており、100円にしては良好なつくりと言えると思います。
ハウジング部分はプラスチック製です。ケーブルの付け根部分外側にLR表記がありますが、やや見づらいです。ちゃんとイヤーピースも同色になっているのは良いと思います。(下の写真はちょっと青みがかかっていますが、実際はもうちょっと緑寄りの色です)
リモコン部分のボタンは1コ。
リモコンの裏にはクリップがついていて、クリップの内側にマイクがついています。
音質について
全体的な音質
肝心の音質については、見た目にこだわりを感じたので音質もちょっと期待したのですが、100均イヤホンそのまんまです。中音域から生じるぼわーんとした感覚が強く、全般的にこもり感が強いです。
低音域は弱めですが、ベース等は比較的きれいに聞こえます。バスドラムは迫力不足でドンドンというよりもポコポコとかトントンって音に近いです。
中音域は過多、豊かすぎると言っていいのか、かなり強く出ていて締まりがなく、こもり感・もわもわ感を強く感じます。ピアノ、ギター、ボーカルの領域は音が重なって濁ってしまいますし、音が共鳴してしまい耳にささってきてとても疲れてしまいます。
意外なのは、高音域がそこそこ出ていることです。シンバルの音かスネアドラムの音などは比較的きれいに出ているように思えますが、中音域のモワっとした感じが邪魔してしまってはっきりしなくなってしまいます。
音質改善を目指す
すべての元凶はおそらく中音域。なので、イコライザーで500kHz付近を大きく下げたうえで、低音域を強めに、高音域はもともとそこそこ出るので低音域より少なめに補強すると、ぼんやり感は大幅に低減され、メリハリの効いたドンシャリで、100円のイヤホンとは思えない音に改善します。とはいっても、中音域のぼんやり感は多少残ってしまうので、完全ではありませんが。
マイクの実用性
本機「ST-MT」のマイクはY字ケーブルの付け根のリモコン裏側についていますので、クリップがマイクを覆う状態です。実際Web会議で使ってみると、音質が全くダメということはないのですが、やや遠く聞こえます。口元から離れていることに加えて、クリップが邪魔しているものと思われます。なので、リモコン部分を口元近くにもってくればふつうに使えます。ただ、クリップを使って服などに挟んでしまうとマイクがふさがれてはっきりしなくなってしまうので、マイク使用時はクリップを使うのはやめたほうがいいと思います。
総評・向いている用途
流行色をまとった今回の100円イヤホン「ST-MT」、音質はふつうに使うとがっかりする(とはいえ100円のイヤホンの中では比較的ましなほう)音質ですが、イコライザーで調整するとマトモにきける素質があるものでした。
かたちもオーソドックスで色も洒落た感じで仕上がっており、ケーブルの付け根などが心許ないものの、プラスチック感全開ですが一定のクオリティはあると思います。
音楽用途では絶対的にオススメできませんが、Web会議とかYoutubeでニュースなどの人の声を中心とする動画を見るような用途であれば、中音域のぼわつき、共鳴度合いは軽減されるので実用的といっても良いのではないかと思います。いつも使ってるイヤホンが壊れた、どこかに忘れた、失くしたけどすぐにWeb会議をしなきゃ、といったような緊急用途には十分使えるとおもいます。なんといっても100円(税込み110円)ですから、使い捨てても懐も痛みませんし。
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