2023年5月、昨年に引き続きスリコがたくさんの新製品を出してくれました!デジタルグッズのうち、イヤホン・ヘッドホンは以下の4種類です。そのうち、ヘッドホンは1500円と2000円の2種類が登場しました。今回は、高いほうの「EDRワイヤレスヘッドホン」をレビューしてみたいと思います。
- クリアケースワイヤレスイヤホン(税込1,650円)
- ワイヤレスヘッドフォン(税込1,650円)
- 骨伝導ワイヤレスイヤホン(税込2,650円)
- EDRワイヤレスヘッドホン(税込2,200円)
後の項でも触れますが、1500円の「ワイヤレスヘッドホン」については、アーム部分のつくりが昨年のヘッドホンと同じつくりです。実際に装着してみても、昨年のヘッドホンとほぼ同様の装着感で、耳の下のほうが開いてしまう欠点があるため購入しませんでした。どんな感じになるかは昨年のレビュー記事に詳しく装着感を書いていますので、良かったらご覧いただければと思います。また、1500円の「ワイヤレスヘッドホン」には、有線接続の機能がついていますが、有線接続用のケーブルが付属していませんので、有線で使おうと思っている方は注意が必要です。
概要・特徴
スリーコインズの「EDRヘッドホン」は、製品名にあるとおり、EDR搭載が売りのようです。ホームページや実機を使ってみての特徴はこんなところです。
- オーバーヘッドタイプのヘッドホン
- EDRが搭載されているので、通信速度を速め音の遅延がしにくい
- マルチポイント接続に対応(非公式)
- お洒落なパステルカラーがファッションのアクセントに
- 折り畳みができて少し小さくなる
- マイクが内蔵されているのでハンズフリーでの通話が可能
- AUXケーブルが付いているので有線に対応
ハコを見ればわかりますが、割と大きめのオーバータイプのヘッドホンです。カラーはベージュとパープルの2色展開。流行のくすみカラー系です。パッケージからはわかりませんが、パッケージの項目の写真をご覧いただければわかると思いますが、折り畳むことができるので、収納スペースは少し小さくなります。
製品名にも書かれている「EDR機能」とは、「Enhanced Data Rate」の略で、より多くのデータ量をやりとりすることができる機能です。スリコのホームページには「遅延が少ない」と書かれていますので、後ほど動画で試してみます。Bluetoothバージョンは5.1。以前レビューしたダイソーに売っている1000円のヘッドホンがBluetooth5.3だったので、最新ではないです。
ダイソーに売っているヘッドホンがマルチポイント接続(2台の機器、例えばスマホとパソコン)を同時に接続できたので、本機でもできるかためしてみたところ、なんと、できてしまいました!なんで説明書に書いてないのかわかりませんが・・・。
本機は基本的にBluetooth接続で使う形が多いと思いますが、付属の有線ケーブルで有線ヘッドホンとしても使うことができます。有線で接続すると、音質はほんのちょっと良くなった気がします。
パッケージ内容
昨年のワイヤレスヘッドホンは、1500円の割には一見高そうに見えるパッケージでしたが、今回の2000円の「EDRワイヤレスヘッドホン」に関しては、単なる透明のプラスチックトレイに入っているよくある形に変更されています。
パッケージの内容物は、本体のほかにUSB TYPE-Cケーブル、有線接続用AUXケーブル、取扱説明書、保証書です。保証期間は6か月なので安心して使えると思います。
前項でも触れましたが、本体はこんな感じで折りたたむことが可能です。
なお、本機はペアリングの際の機種名は「TM-086」と表示されます。
外観
外観はふつうのヘッドホンです。操作系はすべて右側に配置されています。
頭頂部に当たる部分については柔らかい素材になっています。
イヤーパッド部分はちゃんと作られています。電源はボタンではなくスイッチ式なので、使いやすいです。
右側のコネクタ部分です。USB Type-Cで充電します。
昨年のワイヤレスヘッドホンから一番改善されたところは、このアームの部分です。左側が今年の「EDRワイヤレスヘッドホン」で、右側が昨年発売された「ワイヤレスヘッドホン」です。ご覧いただくとわかるように、昨年のものはアームから直接伸びているので、イヤーパッドの角度調整ができませんでしたが、今年の「EDRワイヤレスヘッドホン」は、たいていのヘッドホンと同様、アーム部分から角度を変えられるようになっているので、顔の形に合わせてイヤーパッドが当たる角度を変えることができます。今年の1500円で売られている「ワイヤレスヘッドホン」も昨年のワイヤレスヘッドホンと同じつくりなので、実際に装着してみると、やはり装着感が悪く、隙間が空いてしまいます。これはかなり大きな改善ポイントです。
なお、アーム部分の長さに関しては片側3cm、両側で計6cm伸ばすことができます。
ヘッドホンの外側にはなぜか穴が4つ開いていて、これが若干安っぽさを醸し出しています。
音質・使用感
音質レビュー
結論から申し上げれば、スリコから2023年5月に発売された「EDRワイヤレスヘッドホン」の音質はやや残念で、ややぼんやりしていて締まりのないサウンドという印象です。全く聞けない音かというとそうでもないのですが、お風呂場で聞いているような雰囲気があります。
ヘッドホンの大口径を生かして低音域の低い音~中音域に近い音まで豊かに鳴ります。バスドラムはちゃんとズンズンくる感じで聞こえます。ただ、輪郭はぼやけがちで、ディスコファンク等のベースがタイトだったりうねったりするような感じ、生々しさのようなものは失われがちです。
中音域に関してはもやがかかってぼんやりしていて、引っ込んでしまっているような感覚です。このため、ピアノやボーカル、エレキギター等の音は全体のなかで埋もれてしまいますし、スネアドラムなども迫力がありません。中音域に関しては、やや100均イヤホンの系統の音がしますので、残念感が大きいです。
高音域は出てないわけではないのですが、中音域に埋もれてしまうせいか、遠慮がちに顔を覗かせているような感覚です。
ダイソーで売っている1000円のワイヤレスヘッドホンよりもこもり感やぼんやり感が強い印象ですが、音の輪郭はなんとなく認識できます。クリアさや透明感はありません。音の広さはヘッドホンの割には狭めで、ステレオ感は感じつつも全体がまとまって聞こえてくる感覚があります。音の広さはダイソーのワイヤレスヘッドホンよりは広めです。
音質は昨年のヘッドホンの延長線上といえるものの、装着感が良くなったためか低音~中音域のぼんやり感が増した印象で、結果として今一歩の印象です。
レビューを書くときは過去の他機種のレビューも見ながら、聞き比べつつ書くのですが、なかなか客観的なレビューを書くのは難しいなぁといつも思います。本機「EDRワイヤレスヘッドホン」は直近レビューしたダイソーのワイヤレスヘッドホンと比べてみると、意外とダイソーのヘッドホンもコスパ良いなぁと思ってしまいました。
マイクの性能
マイクの性能は良好で、Zoomを使って試してみたところでは、明確に相手に声を伝えることができました。使用上の問題はなさそうです。
なお、マイクはBluetooth接続時のみ有効で、有線で接続した場合は使えません。
動画視聴・音量
Bluetoothイヤホンで動画を視聴する場合、画面と音声がずれる場合があります。本機の場合、AAC接続でかつホームページ上で低遅延を謳っているEDR搭載なこともあるせいか、遅延は感じられず、普通に見ることができます。実用性は問題ないと思います。
iPhoneで接続した際、最低音量でも結構なボリュームで鳴ってしまう機種があります。本機「EDRワイヤレスイヤホン」は最低にしてもそれなりのボリュームで鳴ってしまいます。少なくともダイソーのワイヤレスイヤホンよりも大きいです。できればもう2段階くらい下げられると良かったとおもいます。
マルチポイント接続
特徴のところでも書きましたが、本機は2つの機器に同時接続できる「マルチポイント接続」に対応しています。本機をスマホとペアリングした後に一旦スマホとの接続を解除し、続けてパソコンとペアリングして、そのままスマホのBluetoothページから本機を指定して接続すると、パソコン、スマホどちらからも音楽を再生することができました。
マルチポイント接続すると、最初に再生している機器が優先されます。1台目の再生を停止してから2台目の再生をすると、きちんと2台目からの音が再生されます。
総評
昨年発売されたワイヤレスイヤホンよりも500円値上がりしましたが、装着感は大幅に改善されたスリーコインズの「EDRワイヤレスイヤホン」。デザインもほぼ普通のワイヤレスイヤホンと同じになり、安っぽさの面でも改善されたように思います。
ただ、肝心の音質については残念ながら褒められたものではなく、人によっては1000円(税込1100円)で購入できるダイソーのワイヤレスヘッドホン「FS-BTHD01」のほうが幾分ましに感じるのではないかと思います。
やはり、ワイヤレスヘッドホンを買うのであれば、ソニーやJVC(ビクター)、オーディオテクニカなどの音響機器メーカーの製品を買ったほうが結果的に満足度が高いように思います。お値段も一番安いラインの製品であれば大体5000円以下で買えるので、スリコの「EDRワイヤレスヘッドホン」の2倍くらいで済みます。最近の音響機器メーカーのものは、結構カラバリもありますし・・・。
Appendix. 操作方法
ボタン操作
再生/一時停止 | 再生/停止ボタンを1回押す |
音量を上げる | 進むボタンを長押し |
音量を下げる | 戻るボタンを長押し |
次の曲へ | 進むボタンを短く1回押す |
前の曲へ | 戻るボタンを短く1回押す |
電話にでる/電話を切る | 再生/停止ボタンを短く1回押す |
着信拒否 | 再生/停止ボタンを短く2回押す |
音声アシスタント(Siri/Google) | – |
初回接続方法(iPhoneの場合)
電源スイッチを入れると、数秒後に一番下に以下のように「TM-086」と出てくるので、これをタップすれば接続されます。
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