ダイソーに無線ヘッドホンの新製品が出た!というニュース記事をちょっと前に見かけて数週間探していたところ、ついに近所のダイソーで発見、早速購入しました。製品名は「Bluetooth HEADSET 有線無線両用ヘッドセット」で、型番は「FS-BTHD01」です。純粋なダイソーのオリジナル商品ではなく、株式会社FSCという会社の製品です。同社のホームページをざっと見るとデジタル小物の商社のようで、ダイソーのイヤホン系では初めてお目にかかるのではなかろうかと思います。
このBluetoothヘッドホン「FS-BTHD01」は、その名の通り3.5mmオーディオジャックがあれば有線でも使えるようになっている製品です。ダイソーでは有線のヘッドホンが550円で売っているので、Bluetooth化のお値段が550円ということになります。同じくダイソーに売っているBluetoothオーディオレシーバーがちょうど税込550円なので、価値的には釣り合う形なのかなと。
概要・特徴
ダイソー初のBluetoothヘッドホンは以下のような特徴があります。
- 有線・無線どちらでも使用可能(ケーブル別途購入要)
- Bluetooth5.3対応、AAC/SBCに対応
- 大口径40mmドライバー使用
- ハンズフリー通話対応(有線接続時は不可)
- マルチポイント接続対応
- 軽量設計135g
箱から取り出して持ってみるとすぐにわかりますが、見た目に比してかなり軽く感じます。コーデックはAACに対応しているほか、BluetoothのVersionは5.3です。音楽再生時間は約10時間。これはヘッドホンとしては短いほうなのではないかと思います。パッケージにはバッテリー容量200mAhと書いてあります。そして、充電端子は出たばかりだというのにmicroUSBケーブルです。これは残念です。
パッケージや取扱説明書には書いていないのですが、本機「FS-BTHD01」は2つの機器に同時接続できる「マルチポイント接続」に対応しています。スマートフォン+パソコンを同時に使う場合などにとても便利な機能です。この機能、低価格ワイヤレスイヤホンではほとんど搭載していない機能なので、大きなウリになると思うのですが。ちなみに、ダイソーに売っている「ワイヤレスオーディオレシーバー E-21」もマルチポイントに対応しています。
パッケージ内容
パッケージはシンプルで、本体のほかmicroUSBケーブルと説明書のみです。有線で使うには、別途3.5mmオーディオ端子のオスーオスケーブルが必要です。
外観
ぱっと見の外観は悪くありません。左側に音量ボタン(+-)、電源ボタン、3.5mmオーディオジャック、充電ポートがついていて、右側は特に何もありません。
頭頂部にあたる部分は柔らかいスポンジが結構厚めに配置されていて、ここは非常に良いと思います。
ヘッド部分外側はこんな感じです。取り出してすぐ撮影したのですが、ちょっと傷がついています。プラスチック感全開で、高級感があるわけではありません。表面は艶消し加工されているので、指紋が目立つといったことはないと思います。
内側の耳当て部分はしっかり作られていると思います。
雑で申し訳ないですが、耳当て部分を適当に測ってみると、縦87mm、横75mmくらいです。自分には若干小さめです。
そこそこのお値段がする機種だと、ハウジング部分が左右に稼働したり、角度調整できたりしますが、本品「FS-BTHD01」はそんなことはできません。もちろん伸縮はできます。最大限伸ばして下のような写真です。
装着感は悪くありませんが、自分には締め付けが結構きつめで、1時間くらいつけていると少し耳が痛くなるくらいです。
音質・使用感
音質レビュー
ヘッドホンなので、イヤホンとはまた違った感じで迫力のあるサウンドですが、結構近場で鳴っている印象で、ややステレオ感が薄いです。Bluetooth接続で聞いた場合、全体的に音の輪郭はあいまいで、音と音の境界ははっきりしません。低音域が強めに響いているせいかもしれません。
低音域から中音域のベース~ボーカル・エレキギターあたりの領域にこもり感とぼんやり感があって、この領域の音が鳴っているとぼわぁんとした感じの聞こえ方をします。100均イヤホンが好きな人(こんな人いるのかわかりませんけど)なら、「ああ、100均イヤホンの系譜だなぁ」ってことがわかると思います。高音域はそれなりに鳴っているのですが、中音域近辺のぼわぁんとした感じに埋もれがちです。
イコライザーを使って中音域(500~1000Hzのあたり)を下げると、締まり良いサウンドになり、なかなか良い音になると思います。
Official髭男dismとか米津玄師なんかを聞くと結構ぼわーんという感じが気になりますが、Bill Evans TrioのWaltz for Debbyとかを聞くとあったかい感じの音でなかなかいいと思います。
なお、有線で聞いた場合はこもり感があるのはあまり変わらないですが、少し角が取れてこれまた少し解像感が上がり、繊細になった感じに変化します。聞き比べてみると、やはり無線接続はやや細かさの点では不利なんだなというのがわかります。
マイクの性能
Web会議(Zoom)を使って「FS-BTHD01」のマイクを試してみたところ、若干クリアさに欠けるような気もしますが、きちんと聞き取れるレベルで声を伝えることができました。使用上の問題はなさそうです。
なお、マイクはBluetooth接続時のみ有効で、有線で接続した場合は使えません。
動画視聴・音量
Bluetoothイヤホンで動画を視聴する場合、画面と音声がずれる場合があります。本品の場合、AAC接続ではありますが、よく見るとずれてるなぁと感じるくらいの遅延が見られます。実用に耐えないほどではないですが、ニュース動画等で凝視するとアナウンサーの唇の動きに対して声がほんの少し遅れるのがわかるので、最近の機種にしてはイマイチです。
iPhoneで接続した際、最低音量でも結構なボリュームで鳴ってしまう機種があります。本機「FS-BTHD01」はそこまで小さくならないですが、ギリギリ許容範囲?の音量まで下げることができると思います。できればもう一段階くらい下げられると良かったとおもいます。
何となくBoseの「Quietcomfort35(QC35)」と比べた場合、感覚的にQC35の3段階目と同じくらいの音がFS-BTHD01の最低音量です。
マルチポイント接続
特徴のところでも書きましたが、本機は2つの機器に同時接続できる「マルチポイント接続」に対応しています。接続の仕方は簡単で、最初の1台とペアリングした後、一度電源ボタンを長押しして電源OFF、再度電源ボタンを2~3秒押しているとチャイムが鳴って「ペアリング」とアナウンスされるので、その状態で2台目とのペアリング作業を行えば接続できます。
マルチポイント接続すると、最初に再生している機器が優先されます。1台目の再生を停止してから2台目の再生をすると、きちんと2台目からの音が再生されます。
総評
税込み1100円と非常に低価格で遮音性がなかなか良い無線ヘッドホンが購入でき、イヤホンとはまた違ったサウンドを楽しむことができるようになったのは大変喜ばしいことだと思います。
サウンド的には締まりがない感じの音で、他のヘッドホンと比べれば音の広がりは弱く、決して良い音ではないですが、価格相応の音にはなっているとおもいます。また、マルチポイント接続に対応しているので、複数機器を同時に使う方にはとても便利だと思います。
低価格無線ヘッドセットでいえば、スリコから税込み1,650円でヘッドセットが出ていますが、こちらは550円差で有線用のケーブルがついているほか、音質面でも「FS-BTHD01」よりスリコのほうが優れていると思います。動画視聴時もスリコのほうが違和感は少ないです。ただし、スリコのヘッドホンは個人的にうまく装着できない(ヘッドセット下の部分が開いてしまう)ので、装着感だけでみれば「FS-BTHD01」のほうがマシ(FS-BTHD01も締め付けがちょっとキツイ)かと思います。
一長一短な面がありますが、音質重視であれば、スリコが近場にあって購入できるならスリコの1,650円のヘッドホンのほうがいいかな、と思います。スリコのヘッドホンは装着感は正直良くないですが、音質をいじらない素の状態でも「FS-BTHD01」よりは良いです。
「FS-BTHD01」は素の状態での音質はいま一歩ですが、イコライザーで調整すれば音質は改善可能です。機能的にはマルチポイント接続などに対応していて良いですが、動画が気づくか気づかないか程度で遅れます。価格を超える価値はあると思いますが、音質重視の方でぼんやりしたサウンドが嫌、という方はやめておいたほうがいいと思います。
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