2024年2月のとある日、久しぶりにダイソーの別ブランド店「THREEPPY(スリーピー)」を訪ねてみたら、1,500円の完全ワイヤレスイヤホンの新型を見つけました。MAKER株式会社製で、パッケージに書いていある名前は「TWSイヤホン デジタルタイプ」。どうやら充電ケースに電池残量表示がついているのが特徴のようです。
THREEPPYの1500円ワイヤレスイヤホンは過去3機種程度見かけていますが、中でも今も売っている「ミニワイヤレスイヤホン」は、小さいサイズでなかなか音質も良いので、寝る前に音楽を聞くときなどに重宝しています。
今回の「TWSイヤホン デジタルタイプ」はお買い得なのか、実際に購入して確かめてみましたので、スリーピー店頭でどのワイヤレスイヤホンを買えばよいのか迷っている方、ぜひご一読ください。
「TWSイヤホン デジタルタイプ」の特徴・機能
- ケースにイヤホンをセットすると電池残量がわかる「デジタル電池残量表記機能」
- タッチセンサーを押すだけで音楽再生・通話を簡単コントロール
- ケースからイヤホンを取り出すだけで電源ON・OFF
- 連続再生時間 本体約5時間
本機「TWSイヤホン デジタルタイプ」の一番のウリは、充電ケースについている「デジタル電池残量表記機能」だと思われます。製品名の「デジタルタイプ」はここからきてるんじゃないかと思います(完全ワイヤレスイヤホンはどの製品も「デジタル」なので・・・)。
カラーバリエーションは2色、ホワイトとピンクがありました。ほかの色もあるのかもしれませんが、いくつかの店舗を回ってもこの2色しかなかったので、この2色ではないかと推測しています。
連続再生時間は約5時間となっています。すぐバッテリーが切れてしまうといった使い勝手の悪さを感じることはないと思いますが、最近のワイヤレスイヤホンとしては若干短めです。
Bluetoothバージョンは5.3、外箱などに書かれている対応コーデックはSBCのみです。ところが、スマホと接続してみると、接続名「TWS DIGITAL」として、AACコーデックで接続されます。
箱には対応コーデックは「SBC」しか書かれていませんが、実際はAACもサポートしているようです。せっかく対応しているのなら、ちゃんとアピールすれば良いのにと思うのですが、不思議です。
ちなみに、使っているメインプロセッサは中国Bluetrum社の「AB5656C2」で、2023年に発売された32bit RISC-Vプロセッサのようです。
本機は防水・防滴仕様にはなっておらず、低遅延モードやマルチポイントといった付加機能も特にありません。低価格にするために機能は割り切っていることが伺えます。
機能・性能を「ミニワイヤレスイヤホン」と比較してみる
併売されている「ミニワイヤレスイヤホン」(TWSミニイヤホン)と、スペック上違う部分を比較してみました。
バッテリー系の機能・性能では今回紹介している「TWSイヤホン デジタルタイプ」が、防水性能では「ミニワイヤレスイヤホン」のほうが優れているようです。
対応コーデックに関しては、外箱などに書かれているスペックは「ミニワイヤレスイヤホン」のほうが上ですが、実際の性能は同等です。
TWSイヤホン デジタルタイプ | ミニワイヤレスイヤホン | |
---|---|---|
対応コーデック | SBC / (AAC) | SBC / AAC |
連続再生時間 | 5時間 | 4時間 |
電池容量 | 本体30mAh/ケース180mAh | 本体25mAh/ケース150mAh |
防水性能 | なし | あり |
残量表示 | デジタル表示 | LEDのみ |
パッケージ内容
パッケージの内容は、本体、イヤーピース(S/M/L、Mは本体に装着)、充電ケース、充電用ケーブル(USB Type-C)、取扱説明書です。
1500円だけあって、一通りのものがそろっていますし、取扱説明書はきちんとした日本語でわかりやすく書かれています。
外観
充電ケース
充電ケースは、やや厚みがありますが、小型で軽量のプラスチック製です。大きさは幅6cm、奥行4.1cm、高さ2.8cm。重量は本体込みで実測32.5gでした。
表面はマット加工されていて、指紋は目立たずさらさらとした触感です。加工精度は悪くなく、見るからに安っぽいという感じはありません。
充電コネクタはUSB Type-Cです。充電用ケーブルは付属しているので、別途用意したACアダプターとつないで充電します。
ふたを開けると、真ん中にデジタル電池残量表記がついています。ふたの開閉部には凹凸がないので、やや開けにくいですが、開閉自体ははスムーズです。
問題は本体の取り出しです。中央部が若干へこんでいるので、本体の真ん中を持って取り出すのが正しい方法ではないかと思いますが、なかなかスムーズに取り出すことができません。自分が不器用なだけかもしれませんが、これまでのケースの中では取り出しにくいほうだと思いました。
本体
本体は小ぶりでまるっこい形をしていて、タッチセンサー部分に黒丸がついています。この黒丸、光ったりするわけではなく単なるデザインのようですが、正直カッコよくないです。
本体サイズは幅1.5cm、奥行き2.3cm、高さ2.3cmで、片耳の重量は実測で3.5gでした。
装着感
このイヤホン、左耳は良いポジションがすぐに見つかりましたが、個人的にどうも右耳がしっくりきません。イヤーピースを変えたりして、何度か角度などを変えて、ようやく低音が抜けない位置が見つかるけど、装着感はしっくりこないといった感じです。
小ぶりなので耳にすっぽりはまる大きさで、寝ながら使うことも可能ですが、どうも自分には右耳がやはりしっくりこない点が気になりました。すべての人がこうではないと思うので、中にはあわない人もいる、程度でお考えいただければと思います。
外観を「ミニワイヤレスイヤホン」と比較してみる
外観を今回紹介している「TWSイヤホン デジタルタイプ」(写真左)と「ミニワイヤレスイヤホン」(写真右)で比較してみました。
充電ケースのサイズはぱっと見ではさほど変わりませんが、「TWSイヤホン デジタルタイプ」のほうが厚みがあり、持った感じは「ミニワイヤレスイヤホン」のほうが手になじみやすいです。
一方で、「ミニワイヤレスイヤホン」はケースのつくりがやや安っぽく見えます。
本体の大きさは「ミニワイヤレスイヤホン」のほうがやや小さく、寝ながら使っているときの違和感が少ないように思います。
音質・使い勝手
音質レビュー
音質は、よく言えば落ち着いた感じの音です。100均にありがちなボワ付きもほとんどなく、バランスは良いと思います。高音域のヌケがあまりよくないので、全体的にクリアな感じの音ではなく、音がマイルドで全体的にまとまって聞こえます。音の広がり感は乏しいです。
低音域はイヤピースがはまればそれなりにでますが、とても強いということはなく、音も輪郭がぼやけがちな印象です。中音域は多めに聞こえてくる印象で、ボーカル曲は聞きやすいです。前述のとおり、高音域は弱いわけではないのですが、天井感がありヌケがよくないです。
この特性から、音が重層的でハデな曲は、音が団子状になって解像感が減少しつつ、シャリ付きが若干でてしまい、ややうるさく聞こえる感じもあります。本機は、どちらかというとシンプルな構成の曲に合っているような気がします。ピアノソロとか、Jazzなど、落ち着いて聞ける曲に向いていると思います。
だいぶ辛目に書いていますが、1000円のダイソー完全ワイヤレスイヤホンと比べると、音のバランスが良く解像感もありますので、音質は当然本機のほうが良いと言えます。
同じ1500円で併売している「ミニワイヤレスイヤホン」と比べるとその差は歴然で、高音のヌケ具合、解像感や音のバランスの面で明らかに「ミニワイヤレスイヤホン」のほうが良いです。
音質で選ぶなら、断然「ミニワイヤレスイヤホン」(写真右のパッケージ)をオススメします。
遅延/ボリュームコントロール
動画の遅延度合い
動画視聴時の遅延に関しては、Youtubeの動画をいくつか視聴してみましたが、違和感を感じずに見ることができました。遅延を計測したところは466msだったので、数字だけ見ると遅延は大きいです。
ただ、最近いろいろなイヤホンを計測した感じでは、数値と感覚は一致しないこともあるので、数値に関しては今後も考察を続けていきたいと思います。
ボリュームコントロール(iPhone)
iPhoneにイヤホンを接続すると、機種によってはボリュームコントロールが今一つで、最低音量がやたら大きかったり、1段階音量を上げた時にいきなり音が大きくなったりします。
本機「TWSイヤホン デジタルタイプ」は、最低ボリュームは標準的ですが、最低から2段階目、3段階目の音量の変化は大きく、繊細なボリュームコントロールは難しいようです。大きめの音が苦手な方は避けたほうが良いかもしれません。
マイク性能
本機のマイク性能に関して、結論から申し上げると、「実用的ではない」となりました。なるべく使用は避けたほうが無難です。
Web会議(Zoom)を使って確認したところ、声を拾うことは拾うのですが、音量も小さく途切れがちで、こもって聞こえてしまいます。どうしても使いたい場合は、意識的にはっきり大きな声で話す必要があります。
まとめ
ダイソーの系列店「THREEPPY(スリーピー)」から登場した、1500円の完全ワイヤレスイヤホン「TWSイヤホン デジタルタイプ」は、充電ケースの電池残量が一目でわかるデジタル表示機能がついていることが特徴のイヤホンです。
ワイヤレスイヤホンとしての機能面では、特に目を引くところはなく、格安ワイヤレスイヤホンとしては一般的なレベルと言えます。なぜかパッケージには書いていませんが、「AACコーデック」に対応している点は優れていると言えるでしょう。
音質面に関して、全体的なバランスは良好なのですが、高音域のヌケがいまいちで、たくさんの音が重なる曲だと音の分離が悪くなり、音が団子になって聞こえてきてしまいます。
本機は、ジャズやピアノソロなどのシンプルな音楽を聞いたり、Youtube等の動画サービスの利用に向いていると思います。お値段相応の価値はあると思いますので、決して「買って損した」と思うことはないでしょう。
なお、音質の項目でも書きましたが、個人的な印象では本機「TWSイヤホン デジタルタイプ」よりも、THREEPPYで併売されている「ミニワイヤレスイヤホン」のほうがオススメです。
その理由は3点、「ミニワイヤレスイヤホン」は防水に対応しており、ジョギング等の用途にも耐えうること、音質面で「ミニワイヤレスイヤホン」のほうが数段音がクリアに聞こえてくること、「ミニワイヤレスイヤホン」のほうが本体が小さいので、寝るときなどに使う際に邪魔にならないためです。
THREEPPY店頭でどちらを選ぶか迷った際は、参考にしてみていただければ幸いです。
なお、近隣にゲオ(GEO)があるようでしたら、ゲオの完全ワイヤレスイヤホン「GRFD-TWS QT27」も検討の選択肢に入れてみてはいかがかと思います。音質に関しては「ミニワイヤレスイヤホン」と同等からやや良いレベル、低遅延モードの搭載、カラバリも豊富で、アプリにも対応しているなど、500円差くらいの価値はあるイヤホンになっています。
Appendix. 操作方法
再生/一時停止 | L(左)ボタンまたはR(右)ボタン×1回タッチ |
音量を上げる | R(右)ボタン×2回タッチ |
音量を下げる | L(左)ボタン×2回タッチ |
次の曲へ | R(右)ボタン×3回タッチ |
前の曲へ | L(左)ボタン×3回タッチ |
電話にでる/切る | L(左)ボタンまたはR(右)ボタン×1回タッチ |
着信拒否 | L(左)ボタンまたはR(右)ボタンを1秒長押し |
音声アシスタント(Siri/Google) | – |
ノイズキャンセリングモード切替 | – |
ゲームモード切替 | – |
電源ON/OFF | L(左)ボタンまたはR(右)ボタンを3秒長押し |
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