2022年ゴールデンウィークにいろいろなデジタルグッズが発売されたスリコ。マカロン型完全ワイヤレスイヤホンや、骨伝導イヤホン、スマートウォッチなど、気になるグッズがお買い得な価格で発売されました。中でも今回レビューする「ワイヤレスヘッドホン」は、1,500円(税込み1,650円)という非常にリーズナブルな価格で登場しました。1500円でヘッドホン、しかもワイヤレス。使い勝手や音質はどうなのでしょうか。
なお、当サイトではスリーコインズの「骨伝導ワイヤレスイヤホン」と「マカロン型完全ワイヤレスイヤホン」、そして以前から売っている「完全ワイヤレスイヤホン(カナルタイプ)」もレビューしていますので、良かったらご覧になってみてください。
(2023.01.07)長らく在庫切れ状態が続いていましたが、年が明けた1月7日には店頭で復活していることが確認できました。
(2023.05.03)新型のヘッドホンが登場しました。新作ヘッドホンは値段が上がっていますが、装着感がかなり改善されました。詳細はレビュー記事をご覧ください。
概要・特徴
3COINSの「ワイヤレスヘッドホン」も、他の商品と同じように大人気なようです。骨伝導イヤホンと同様、カラーバリエーションは「グレー」「ピンク」の2色構成です。3COINSの通販サイトではどれくらいお気に入り登録されているか見ることができるのですが、それによるとグレーのほうが人気なようです。今回手に入れたのは「ピンク」になります。
スリーコインズのワイヤレスヘッドホンの特徴は以下のようになっています。
- シンプルでスタイリッシュなオーバーヘッドタイプのヘッドホン
- 音漏れがしにくい密閉型
- ヘッド部分のベルトはサイズ調節可能
- マイクが搭載されているので、ハンズフリーでの通話が可能
- AUXケーブルが付属しており、Bluetooth再生・TFカード(microSD)再生・AUXケーブル再生の3パターンの再生方法が使える
- 激安価格1,500円(税込み1,650円)
このワイヤレスヘッドホン最大のポイントはたったの税込み1650円ってところなんじゃないかと思います。その割には機能は豊富で、マイク内蔵で通話も可能、ケーブル付属で有線イヤホンとしても使える、しかも有線にもリモコン付き、さらにmicroSDに音楽ファイルを入れて差し込めば、プレイヤーとして単体で使える・・・。最後のmicroSDは正直使うことはほとんどないと思いますが、十分な機能がそろっています。
立派な箱を開けると、トレーシングペーパーのような薄い紙がお出迎えです。とても1500円のモノとは思えないちょっとした高級感のようなものを感じてしまいます。
中に入っているものは、ワイヤレスヘッドホン本体と、取扱説明書兼保証書、リモコン付きAUXケーブル、USB充電用ケーブル(microUSB)です。「マカロン型ワイヤレスイヤホン」がUSB TYPE-Cだったのに、このワイヤレスヘッドホンはmicroUSBなのはちょっと残念なポイントかも。
AUXケーブルはこんな感じ。見づらいかもしれませんが、右側にボタン1コのリモコンがあります。
外観・装着感
外観
本体はこんな感じです。左側に操作系が集まっています。左側上のスリットはTFカード(microSD)の差込口、その下の長いボタンが音量ボタン、その下が電源ボタンです。本体でボリューム調整ができるのは地味に便利です。重さは175gで、ヘッドホンにしては軽めです。
左側の最下部にはマイク、AUXコネクタ、microUSB端子、LEDインジケーターがついています。
ベルトの伸縮に関しては、左右ヘッドホンの付け根部分を伸ばすことができるようになっています。最大でこれくらいになります。
そして、このヘッドホンは付け根部分を折り曲げることができるので、コンパクトにすることができるようになっています。高機能ですね。
ちなみに、ワイヤレスヘッドホンで割とメジャーなBOSEのQuiet Comfort 35(最近は後継製品のQuietComfort 45が出ています)と比べるとこんな感じです。
装着感
装着感については、頭の大きさにもよると思いますが、ちょっと課題があるかもしれません。
まず、成人男性である私でもベルトを伸ばすことによって適切な位置に装着することが可能です。イヤーパッド部分がやや硬めで弾力性があることもあって、締め付け感が結構ある印象です。頭頂部が当たる部分は柔らかくしてあるので、頭頂部がベルトに当たって痛いということはありません。
ベルトを調整して適切な位置なら軽減されますが、少しベルトを長めにして顔の形と合わない状態してしまうと、角度が合わず、耳の上の部分はちゃんとフィットしているのですが、耳の上部を接点にして下のほうに行くにつれて耳から少し離れていく感覚になります。場合によっては耳の上のほうの締め付けが強くなり、ちょっと痛くなります。このため、割と長さの調整をシビアに行う必要がある印象です。
Quietcomfortと比較して気が付いたのですが、スリーコインズのヘッドホンは、ハウジング部分がベルトと一体になっていて微調整がききませんが、QuietComfortのほうはハウジングの角度を変えることができるようになっていて、耳との一体感を高めることができるようになっています。このあたりは値段が思いっきり出てしまっていますね。まあ、Quietcomfortは定価ベースで3万円以上するので、比べるのはおかしいですが。
音質など
音質
スリコのワイヤレスヘッドホン、結論から言えば音質は悪くないです。めちゃくちゃ良いかと言われればそこまでではないですが、1500円という値段以上の価値はある音だと思います。
今回のレビューにあたって、先ほどから比較しているBoseの「Quietcomfort 35」と、音楽スタジオなどで使われていて、良くミュージックビデオなんかのレコーディング風景でも見られるソニーの有線スタジオモニタリングヘッドホン「MDR-CD900ST」と聴感を比較しています。価格帯が全く違うので比較対象として適切かといわれるとどうかと思いましたが、比べ物にならないという感じでもありませんでした。
スリコのワイヤレスヘッドホン、全体的な音の粒感や解像感は決して悪くありませんが、比較した製品に比べると1歩劣っていて、音の輪郭は若干丸い印象です。ただ、全くダメというわけではなく、値段からすれば驚くくらい良いと思います。イヤホンに比べると音の広がりも感じますが、ものすごく広いという感じではありませんでした。0.5枚くらいベールをかぶった音って感じでしょうか。
低音域はしっかり出ていて、ややブーストされていると思います。低域はフラット傾向であるMDR-CD900STと比べると強めです。高音域もしっかり出ていると思います。おそらく課題は中音域にあり、特に中低音域が強めに出ているため、全体的にすこしこもり感が出てしまっているのだと思います。
そのまんまでも値段以上の音はしているのですが、低音域も高音域もちゃんと出ているので、イコライザーで下のように300Hz~400Hzあたりを中心にして前後を下げる調整をするとものすごく改善されて一気に印象が変わり、びっくりするくらい音が良くなります。言い過ぎかもしれませんが、Quietcomfortと比較しても遜色ないくらいの音です。
遅延度合い・電波・マイクなど
遅延についてはYoutubeでドラム演奏を見る限りほとんど気になりませんので、不満がないレベルまで遅延は抑えられていると思います。
電波に関しては、近くにあるiPhoneとつないで音楽を聞いていても、BoseのヘッドホンをONにしてあったりするとたまにブツっと一瞬飛んだりしてしまうので、あまり良くない印象です。距離的にも扉2枚を隔てて数mは大丈夫ですが、そこから離れると途切れるので、個体差なのかもしれませんが、電波感度は良くないほうだと思います。
気になるのは、これもたまにですが、曲の冒頭部分が切れたりするところです。必ずというわけではないのでなんともいえませんが。
マイクに関しては、iPhoneの電話アプリを使って電話したところ、相手側は問題なく聞き取れたということで、通話に関しては問題ないと思います。
総評
たった1500円のワイヤレスヘッドホンですが、音質はふつうの状態でもまあまあ良くて、イコライザーをいじればかなり良い音に化けるポテンシャルを持っている良いものだと思います。
一方で、構造上、どうしても耳の下のほうは浮いてくる印象があり、完全な密閉感が得られないこと、電波感度が微妙な点は気になるところです。別途女性にも装着してもらって感想をいただいたのですが、私同様、締め付けは気になるほどではないけど、下のほうが少し浮く印象とのことでした。
装着感が許容できるようであれば、そのほかは確実に値段以上の価値はあると思います。ヘッドホンが気になっていた方、購入してみてはいかがでしょうか。
Appendix. 操作方法
ボタン操作
電源を入れる/切る | 電源ボタンを長押し |
電話を受ける | 電源ボタンを短押し |
電話を切る | 通話中に電源ボタンを短押し |
音楽の再生/一時停止 | 電源ボタンを短押し |
次の曲へ | 音量+ボタン長押し |
前の曲へ | 音量-ボタン長押し |
初回接続方法(iPhoneの場合)
電源マークの部分を長押しすると、電源が入ってペアリングモードに入ります。iPhoneであれば、設定アイコンからBluetoothメニューを選択すると、数秒後に一番下に以下のように「H_Music001」と出てくるので、これをタップすれば接続されます。
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