SOUNDPEATS Mini Pro HS 7980円 SOUNDPEATSの最新作、アクティブノイズキャンセリング、LDAC対応のハイレゾイヤホンを自腹レビュー!

Soundpeats Mini Pro HS 1000円以上イヤホン

SOUNDPEATS社は中国のメーカーで、Bluetoothイヤホンの黎明期から製品をAmazonで販売していて、今ではそこそこの地位を確立しているメーカーです。以前、完全ワイヤレスイヤホンではないワイヤレスイヤホン「Soundpeats Q35」を使っていたことがあり、自分自身ではお値段のわりに良い音がするイヤホンを出すメーカーという印象を持っています。

2022年11月、サウンドピーツ社はLDACという劣化の少ないコーデックに対応、ハイレゾを謳ったイヤホンを出しました。それが「SOUNDPEATS Mini Pro HS」です。元々「Mini Pro」という機種を出していて、こちらもApt-X Adaptiveに対応した音質に優れている製品とアピールしていましたが、今回の製品はさらに上を行くハイレゾサウンド、そしてアクティブノイズキャンセリング(ANC)もさらに強化したとしています。今回、ANC性能とLDAC対応が気になったので、自腹で購入してレビューしてみます。製品提供を受けて書いているわけではないので、忖度なしで書きたいと思います。

ちなみに、定価は7980円ですが、購入価格はデビュー価格の5600円ほどでした。SOUNDPEATS社はちょくちょく割引したりクーポンを配っていますので、定価でしか買えないということはほとんどないと思います。大体6000円台前半~半ばあたりで購入できるのではないでしょうか。

本機は結構好みが分かれるサウンドだと思いましたので、あくまで個人的な感想としてとらえていただければと思います。実際に保有されている方、もしよろしければご意見、ご感想をお聞かせください。いろいろなご意見を紹介できればと思います。

概要・特徴

SOUNDPEATS Mini Pro HS 販売ページより抜粋

普段当サイトで取り上げている100均に売っているイヤホンとは違って、SOUNDPEATS Mini Pro HSの特徴はたくさんあります。主な特徴は以下のとおりです。

  • 情報量はCDの約6.5倍! ハイレゾワイヤレス対応
  • 生きた音をそのまま届ける、最高音質コーデックLDAC対応
  • 最大40dBのアクティブノイズキャンセリング(ANC)
  • ナチュラルで繊細な音、10mmダイナミックドライバー
  • 8時間連続再生、Type-C充電対応
  • 防水性能はIPX5

最大の特徴はハイレゾ対応ということで、「LDAC」(エルダックと読みます)に対応したスマホなどを使えば、最大20Hz~40,000Hz(普通のイヤホンは概ね20~20,000Hz)と、大変幅広い再生帯域を確保していると謳っています

SOUNDPEATS Mini Pro HS 販売ページより抜粋

さらに、アクティブノイズキャンセリング機能は高級機と同じフィードフォワードとフィードバックを組み合わせたハイブリッド方式を採用していて、従来機からマイクの位置も最適化することで、風切り音低減や最大40dBという高いノイズ低減性能を実現しているとのことです。

その他、ナチュラルで繊細な音が楽しめるバイオセルロース製の振動板を採用。10mmダイナミックドライバーを搭載することで、再生帯域の広さや中低域の厚みや音の勢いを確保し、深く沈み込みながらレスポンスの良い低域、立体感のある中域、さらには高い解像度を誇る高域を、優れたバランスで実現しているそうです。

あまりサイト上では触れられていませんが、IPX5相当の防水性能を有しているようです。

内容物は本体、充電ケース、イヤーピース(S・M・L、Mは本体に装着済み)、USB TYPE-Cケーブル、マニュアル類です。

SOUNDPEATS Mini Pro HS

外観

充電ケース

ケースはつや消しされたマットな質感で、ストーン加工みたいな模様が施されています。指紋などの汚れが目立たないのはとても良いです。写真は黒ですが、実際はやや灰色に近い黒です。

SOUNDPEATS Mini Pro HS

ケース背面にはUSB TYPE-C端子がど真ん中に存在しています。端子の色は青で、目立ってわかりやすいですが、意匠的に高級感を持たせる方向感のように思える中で、この端子の色はやや唐突感がある気がします。

SOUNDPEATS Mini Pro HS

ケースを開くとこんな感じ。中は灰色。ケースの開閉はスムーズですし、開け閉めしやすいほうだと思います

SOUNDPEATS Mini Pro HS

AirPods Pro2とケースの大きさを比較してみます。Mini Pro HSのほうが厚みはありますが、ケースの大きさはさほど変わりません。丸っこい形をしているので、手になじみやすく持ちやすいです。

SOUNDPEATS Mini Pro HS and Airpods Pro2

イヤホン本体

本体のタッチセンサー面は、金色でSOUNDPEATSのロゴが配置されており、とても目立ちます。これは好みが分かれるところだと思いますが、多分ないほうが落ち着いた感じになったのではないかと思います。

SOUNDPEATS Mini Pro HS

形状はステム(うどん部分)がないもので、ケースに入れた状態で見ると何の変哲もない形ですが、取り出して横にしてみると凹凸がついた変わった形をしています。何かこだわりを感じます。

SOUNDPEATS Mini Pro HS

写真からは良くわからないですが、ジョイント先端(耳に差し込むところ)も金色のガードがついているので、高級感というか、意気込みを感じます。

SOUNDPEATS Mini Pro HS

なお、購入時は保護シートがついているので、はがしてから充電します。梱包?も丁寧です。

SOUNDPEATS Mini Pro HS

独特の形状をしていますが、耳に差し込んで向きを合わせると、とてもしっくりくる感じで、耳にフィットした装着感を得られます。カナル型のイヤホンの中では装着感はかなり良いほうだと思います。

音質

実力を発揮するにはAndroidで

SOUNDPEATS Mini Pro HSは「LDAC」で接続している場合はハイレゾに対応していますが、それ以外で接続すると普通のイヤホンと同じ状態になります。iPhone/iPadで使うと「LDAC」には対応していないので、本機の実力を最大限に発揮することはできません。今回はAndroidスマートフォン(Xiomi Mi 11 Lite 5G)とiPhone(iPhone XS)を使って音質を確認しました。

Androidで本機に接続すると、ちゃんとLDACコーデックで接続できていることがわかります。iPhoneの場合はどのコーデックで接続されているのか確認はできませんが、スペック上はAACコーデックで接続されているはずです。

SOUNDPEATS Mini Pro HS

全体的な傾向

LDACで接続してもAACで接続しても大まかな傾向は同じで、ものすごいドンシャリサウンドです特に低音域はかなり強く、最初に聞いた時はびっくりしたくらいです。それ以外の部分はLDAC/AACでそれなりに違いがあるので、コーデックごとに印象を書いてみたいと思います。

LDAC(Android)の場合

LDACで聞いた場合は、AACで聞いた場合と比べると音の分解度が上がるようです空間的な広がりは弱めで、全体的に近く感じます。低音域~高音域のバランスがAACと比べてだいぶ良くなります。とはいってもかなりのドンシャリサウンドです。低音域はかなりしっかりしていますが、厳しく言えば、逆に強すぎて、音に厚みがある楽曲だと個々の音がうずもれがちで、例えばバスドラムのアタック音の生々しさ、ベースの弦をはじく感じなどが伝えきれない印象です。中音域はちゃんと鳴っていますが、解像感がちょっと足りない気がします。中音域全体はボリューム感があるのですが、音一つ一つとるとやや乾いた音に聞こえます。高音域は個々の音の粒感は感じるのですが、他の音域に引っ張られるためか、ややもすると極薄いベール(100均のとは比べ物にならないくらい薄いものですが)をかぶせているように聞こえます。このため、ヌケ感とか見通しの良さはもう少し頑張ってほしいところで、どこかに線がある印象になります。

AAC(iPhone)の場合

全体的に傾向はLDACと同じですが、やはり解像感は落ちる印象です。低音域はあまり印象が変わりませんが、中音域は若干暖かみがあるまるいサウンドになり、高音域はざらついてすこしわしゃわしゃした感じの音に変化するように思います。特に高音域の変化は顕著で、ライブの最後なんかでよくあるシンバルをたたきまくっているようなシチュエーションの際には、シンバル個々の音はうずもれがちでちょっと圧縮率高いのかな、という気がするくらいのざわつき感があります。やはり高音域が最後まで伸びきらないようです。

さすがに100均とはレベルが違いますが、、、

期待が高かった分、LDAC/AACとも比較的厳しめに書いていますが、当たり前ですが100均のイヤホン群とは全く次元が違うサウンドであることは確かです。しかしながら、1万円を超えるイヤホンとは明らかに音質に差があります(Jabra Elite 75tとかfinal ZE3000と比べましたが、やはり音質差は感じられます)。また、数種類のイヤホンを聞き比べた結果、ハイレゾだからといって同価格帯の中でぴか一音がいいかというと、そうとも言いきれないと思いました。これは好み次第という面は相当大きいと思いますが、個人的には高音域の伸びとかクリアさはもうちょっとほしいと思います。手持ちの同価格帯では、中音域を抑えすぎていてつまって痩せた感じはありますがEarfun Free Pro2のほうが高音域の伸びは好みです。

いろいろ書きましたが、他と聞き比べをせず、初めてのワイヤレスイヤホンとして本製品(Mini Pro HS)を買って不満に思うことはそんなになく、十分満足のいくものだとも思います。若干音に不満に思っても、イコライザーで細かく音を調整することができますので、好みの音に仕上げることができる大きなメリットもあります。

アクティブノイズキャンセリングの性能

アクティブノイズキャンセリングの性能は、1万円以下のイヤホンのなかでは強力なほうだと思います。手持ちのEarfun FreePro2とか、ゲオのGRFD-TWS HT05よりもやや強い気がします。風切り音も謳い文句通り他と比べて小さいようです。もちろん完全な静寂、驚くほど静か、とまではいきませんが、効果は実感できるレベルで軽減されます。電車に乗っていても、地上を走っているとかなり音楽が聴きやすくなります。地下を走っている際は、ところどころキャンセルしきれなくて雑音が混じることはありますが、こちらも低減効果はある程度実感できます。

さすがにAirPods Pro2と比べると歴然とした差がありますが、Jabra Elite 75tと比べると勝負になるレベルだと思います。過度な期待はしないほうがいいですが、8000円以下のイヤホンの中では最高レベルの効き具合といって良い気がします。

外音取込モードの出来はそこそこです。自然で実用的なレベルといってよいのではないかと思います。

本機のANC系における欠点は、ノイズキャンセリング、ヒアスルー(外音取込)、ノーマルの各モードへの切り替えに時間がかかる点ではないかと思います。左のタッチセンサーに触れて3秒くらい待ってようやく切り替わるので、結構時間がかかります。また、ノイズキャンセリングの状態を記憶しておくことはできません。ANCモードにした後で一旦充電ケースに戻すと、次聞くときはまた「ノーマル」に戻ってしまいます

マイクの性能

Zoomを使って試してみたところ、きちんとクリアに音を拾ってくれました。Web会議や通話には支障なく利用することができると思います。

遅延度合い

動画視聴の際の遅延はほぼ感じられず優秀だと思います。仮に遅延を感じるようであれば、ゲームモードもついていますので、ゲームモードにすればさらに遅延を減らすことができます。

アプリについて

本機(Mini Pro HS)は、「SOUNDPEATSアプリ」に対応しています。アプリを使えば、聴力テストを行って自分の状態にに合わせてイコライザー設定できたり、「事前設定」というプリセット、または7バンドのイコライザーを使って自由に好みの音質に調整することができます。また、ノイズキャンセリングの設定、ゲームモードON/OFFなどの操作もできます。

Mini Pro HS アプリ
アプリ起動画面
メイン画面
設定メイン画面
プリセットのイコライザ
プリセットのイコライザー
イコライザー
聴力テスト
聴力テスト

総評

SOUNDPEATS Mini Pro HS

定価は7,980円ですが、おそらく6,000円台、セール時期などは5,000円台後半で手に入るお手頃価格なのに、スペック上は全部入りといっても良い本機「SOUNDPEATS Mini Pro HS」。LDACに対応しハイレゾを謳い、音質が良いことをかなり強調しています。イコライザーで音をいじらない「素」の状態で聞いた結果、迫力は相当ありますがもう少し繊細さが欲しいかな、という音作りでした。イコライザーである程度の改善は可能ですが、まだしっくりくる設定は見つかっていません。

音質面以外の機能については値段を考えれば全く文句ないレベルで、アクティブノイズキャンセリングは8,000円以下の機種ではかなり高いレベルだと思いますし、アプリも用意されていて機能も豊富です。動画を見た時の遅延もほとんど感じられませんし、ゲーミングモードもついています。電波感度についても、朝夕の東京駅構内でも途切れることなく再生してくれました。

本製品は、大多数の人は満足感を覚える出来の良さだと思います。個人的にはもうちょっと透明感が欲しかったところなので、このレベルの音質であれば、価格帯的に1段階安いゲオの「GRFD-TWS HT05」でもそれなりの満足感が得られるように思います。HT05も完璧な音質ではありませんので、好みの問題ですが。

コメント

タイトルとURLをコピーしました