ゲオ「GRFD-TWS DT06」Qualcomm製チップを搭載したaptXコーデック対応の完全ワイヤレスイヤホン、高音質を謳うその実力は?

ゲオ GRFD-TWS DT06 1000円以上イヤホン

本稿執筆時点でちょうど1年前くらいに登場した本機「GRFD-TWS DT06」は、2980円(税抜き)というやや低めのお値段で、スマートフォンの心臓部を司るチップでおなじみのQualcomm社のチップ「QCC3040」を搭載し、音質に優れるとされている「aptXコーデック」に対応した機種として登場しました。特にアクティブノイズキャンセリング等は搭載していないので、機能面ではさらに1000円安い「GRFD-SWE100QT13」と近いのですが、その違いも含めてどうなのか、比較も含めてレビューしてみます。

(2024/4/21)ゲオからGRFD-SWE100QT13と同じ値段の新・コスパ最強モデル「GRFD-TWS QT27」が発売されました。若干スペックはダウンしていますが、引き続きコスパ良好です。

概要・特徴

ゲオの完全ワイヤレスイヤホン「GRFD-TWS DT06」の特徴は以下のようなものです。

  • Qualcomm社製「QCC3040」チップ搭載
  • 高音質コーデック「aptX」対応
  • イヤホン、充電ケース、イヤーキャップには、細菌の繁殖を抑える抗菌素材を使用
  • 雑音をカットしてクリアな通話が可能なQualcomm cVc(Clear Voice Capture)8.0 採用
  • イヤホン本体で最大7.5時間、充電ケース併用で最大100時間の長時間再生
  • 低遅延ゲームモード搭載
  • IPX4(生活防水レベル)の防水規格に対応、汗や少々の水濡れも大丈夫
  • QCYアプリに対応、音質のカスタマイズが可能

本機のセールスポイントは2980円(税込3278円)という低価格ながらQualcomm社のチップ「QCC3040」を採用し、比較的高音質なコーデック「aptX」へ対応、通話時のノイズキャンセリング機能である「cVc 8.0」に対応していることだと思います

それ以外は完全ワイヤレスイヤホンの標準的な機能をひととおり搭載しているといった趣で、ゲーミングモード、IPX4の防水、アプリ対応、再生時間7.5時間に対応しています。珍しいといえば、ケース、本体、イヤーピースが抗菌仕様になっているところでしょうか。コロナ禍でこういったニーズが出てきた結果かもしれません。

ちなみに本機の製造は中国QCY社が行っていて、QCY社の「T17」とその上位機種「T17s」の中間あたりに位置する製品になります。T17Sからマイクと防水の性能を落として、T17の筐体に突っ込んだようなイメージになります。

Androidで調べてみると、サポートされているコーデックはaptX、AAC、SBC、メーカーはQCY(Dongguan Hele Electronics)、使っているチップはQCC3040であることがわかります。

パッケージ内容

パッケージの内容は、本体、充電ケース、イヤーピース(S/M/L、Mは本体に装着)、充電ケーブル(USB TYPE-C)、マニュアルです。

GEO GRFD-TWS DT06

外観

充電ケース

本機「GRFD-TWS DT06」の充電ケースは細長い形をしていて、とても持ちやすく、手になじむ形をしています。大きさは70.6mm×27.4mm×32.5mmで、本体を収納したときの重量で実測35.7gと、重量感をあまり感じない程よい重さです。表面は艶消し加工がなされていて、価格相応の趣です。

GEO GRFD-TWS DT06 充電ケース

背面にはUSB TYPE-Cの充電端子がついています。底面には型番等が大きめの文字で見やすく書かれています。つくりは全体的に

GRFD-TWS DT06

ふたを開けるとこんな感じです。ふたはマグネットでくっつくようになっていて、開閉の感じは悪くありません。本体を取り出すときのマグネットの強度はちょうどよく、形状が形状だけに取り出しやすいとまでは言えませんが、取り出しにくくてどうしようもないということはありません。

ゲオ GRFD-TWS DT06

本体

本体はスティック(うどん)部分がないカナル型イヤホンで、まるっこい形状をしています。本体を囲むようにウィングがついていますが、短いので何の役に立っているのかはよくわかりません。重量は片耳で約4.4gです。

ゲオ GRFD-TWS DT06 本体

イヤーピースはスマートな形です。このためか、若干低音域への影響がみられます。本体はほどほどの大きさで厚みもそんなにないので、装着感は良好です。

ゲオ GRFD-TWS DT06

音質・各種性能

音質レビュー

本機の特徴である「aptX」コーデックで接続するには、iPhoneは対応していないため、Androidで聞く必要があります。今回はAndroid機(Xiaomi Mi 11 Lite 5G)を使って聞きます。

GRFD-TWS DT06

全体的な印象は、思いのほか低音が強いわけではなく、傾向としてはどちらかといえばフラット傾向な感じで、見通しが良い印象です。付属のイヤーピースで聞くと、他の低音域重視のイヤホンと比べると低音域は独特で、バスドラムのドンドンという感じは結構ありますが、低い音域の沈み込むようなベース音については控えめな聞こえ方をします。強いて言えば、低音域については若干輪郭があいまいになりがちなようで、低音域+中音域中心の音づくりになった時、低音域に引っ張られてほのかに音がぼんやりする印象です。

中音域については全体のバランス感からすると若干抑えてあるようで、このためにきらびやかさは控えめで、ややおさえた音づくりに聞こえてきます。イコライザー的に言えばV字のようになっているイメージです。高音域は十分にでていて、サ行の音が刺さるようなことはなく、バランスは良いと言えると思います

音の広がりは少な目で、空間的には広いとは言えないような傾向です。また、高音域がクリアに鳴るので、音がこもっているように感じるということはないと思います

本機「GRFD-TWS DT06」の音は、価格相応~やや上のクラスの音に仕上がっており、このくらいの金額でこの音質であれば、不満を抱くことはほとんどないと思います。

なお、低音域についてはアプリのイコライザーで調整することもできますし、イヤーピースを変えることによっても低音域をより深く聞こえるようにすることができます。

今回いくつかイヤーピースを試した中では、オーディオテクニカの「完全ワイヤレスイヤホン専用スペアイヤーピース ER-TW1」がかなり良い感じです。低音域がしっかり&はっきりして、全体的なメリハリがさらに良くなります。充電ケースへの収納もスムーズで、充電もきちんとできて良いと思います。ただし、イヤーピース側の径が小さいので取り付ける際に若干苦労します。カラーが白と黒があるので、お好みで選ぶと良いと思います。お値段も3組で600円くらい、1組に換算すると200円程度なので、べらぼうに高いということもありません。

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QT13と比べてみる

本機は税抜き2980円ですが、1,000円お安い価格で「GRFD-SWE100QT13」(以下QT13)が出ているので、それとどう違うのか比べてみました。このQT13、以前記事にしたように1980円にしてはかなり良い音質をしていて、当サイト的には2000円以下の完全ワイヤレスイヤホンではベストバイな位置づけです。

写真左がDT06、右がQT13ですが、聞き比べてみるとDT06は低~中低音域が強めに出てくる印象、QT13は中高音域が強めに出てくる印象です。音の派手さはQT13のほうが上ですが、音の広がりや聞き疲れしない落ち着いたサウンドという点ではDT06に軍配が上がりそうです。

充電ケースからの取り出しやすさはQT13のほうが上、持った時の持ちやすさの面ではDT06のほうが上ということで、どちらも良い点があると思います。

遅延・音量・マイクの音質など

本機の通常使用においては電波は安定していて、ターミナル駅の雑踏、電波に関してはとても安定していて、通勤電車の中、ターミナル駅の雑踏、休日の人込みなどでも安定して音楽を楽しむことができました。

遅延に関しても全く問題なく、通常のモードでYoutubeやAmazon Primeを見ても違和感なく見ることができました。

マイクについても問題なく、Zoomを使って確認してみましたが、相手側に問題なく伝わる音質です。

iPhoneに接続した場合、ボリュームを最小にしても大きめの音になってしまうことがあります。本機はボリュームを最小にした場合、かなり小さい音になるので、大きい音が苦手な方でも安心して聞くことができると思います

QCYアプリ

本機は製造元のQCY社が出している「QCYアプリ」に対応しています。アプリはイコライザー機能やボタン操作方法の変更、ゲームモードON/OFF、ファームウェアアップデート等が可能です。

総評

ゲオ GFRD-TWS DT06

ゲオで購入できる本機「GFRD-TWS DT06」は、2980円というお値段で定評のあるQualcomm製チップ「QCC3040」を搭載し、そのチップが持つ機能を最大限に生かしている機種かと思います。

本機のさらに1000円安い機種である「GRFD-SWE100QT13」と搭載チップを除けばスペック的にはカブる面があり、どっちを購入するのが良いのか迷うかもしれません。

いろいろ聞き比べてみると音の傾向が違ったり、ちょっとだけマイクの音がDT06のほうが良いような気もします。そのうえで、どちらを購入するのが良いのかと問われると、「形にこだわりがないならQT13」、「小さくてスティック(うどん)がないほうがいいのならDT06」というところです。

音質面ではどちらを購入しても大きく不満ということはないと思いますし、機能的な面でもさほど大きな違いがあるわけでもありません。大きく異なるのは「形状」なので、形にこだわるかどうか、というのが当サイトの結論です。

しかも、今ならゲオ店頭でQT13が1,078円で買えるので、店頭が近くにあるならQT13を1コとりあえず買ってみることをお勧めします。通販サイトでは送料込みで1628円です

Appendix. 操作方法

ボタン操作

再生/一時停止L(左)ボタンまたはR(右)ボタン×2回
音量を上げる
音量を下げる
次の曲へRボタンを3秒長押し
前の曲へLボタンを3秒長押し
電話にでる/電話を切るLボタンまたはRボタン×2回
着信拒否着信時にLボタンまたはRボタンを2秒長押し
音声アシスタント(Siri/Google)Lボタン×3回
ノイズキャンセリングモード切替
ゲームモード切替RRボタン×3回
ペアリングモードへ入る充電ケースに入れて両方のボタンを5回タッチ

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