2023年9月、ダイソー店頭に並んだ新しい有線イヤホン。また300円シリーズのバリエーションモデルかな、と思ってよく見たら、なんと左上に「Hi-Res」ロゴがついているではありませんか!お値段はちょっと上がって500円(税込550円)。このロゴは日本オーディオ協会にお金を払って認定を受ける必要があり、勝手につけられないものです。このイヤホンの名前は直球勝負の「ハイレゾ対応イヤホン No.7301」。音質のこだわりをハイレゾという形で示してきたこのイヤホン、早速レビューしてみたいと思います。
概要・特徴
ダイソーの「ハイレゾ対応イヤホン No.7301」の主な特徴です。
- ハイレゾ楽曲を繊細に再現する「ハイレゾオーディオ」対応。再生周波数帯域20~40,000Hz
- 小型リモコン(マイク内蔵)つき
- 10mm径ダイナミックドライバー搭載
- ケーブルの長さは1.2m
- アルミニウムハウジング
本機の特徴は何といっても「ハイレゾオーディオ対応」です。再生周波数帯域は「20Hz~40,000Hz」と、普通のイヤホンの倍の帯域です。「Hi-Res Audio」のロゴは日本オーディオ協会の認定が必要で、協会のホームページで認定状況を公開しています。実際に検索してみると、Companyに「Daiso Industries Co., Ltd.」がちゃんとあり、3機種出てきます。1つは今回レビューする「ハイレゾ対応イヤホン No.7301」だと思われますが、残り2つはダイソーの別ブランド「Standard Products」と「THREEPPY」の各ブランドで販売されるもののようです。おそらく、今回のNo.7301のパッケージを変えたものではないかと思いますが、見つけたら確認してみたいと思います。
ハイレゾ以外の部分ではアルミハウジングを採用、マイク付きリモコン、ケーブル長1.2m、といったところで、300円シリーズとほぼ同じ仕様です。この値段でアルミハウジングを採用しているのは、大手オーディオメーカー製品ではまず見かけないので、大きなアドバンテージと言えるでしょう。
外観
本体はアルミニウム製です。ハイレゾ対応っぽい形と言われるとそんな感じかなぁ、みたいな形をしています。光沢のある部分と非光沢の部分があるデザインです。
ジョイント部分はネットで覆われています。左右表記はわかりやすいですが、若干安っぽい印象を与えてしまう気がします。
パッケージでは円筒の底面(?)のデザイン部分も塗装されているように見えなくもないですが、アルミの色そのままです。開けたてで撮影したのですが、上部に汚れがついていました(こすったら落ちました)。
300円シリーズと異なり、マイク付きリモコンは右のケーブルの途中についていてマイクがより口元に近い位置になるように工夫されています。(300円シリーズはY字ケーブルの付け根部分にリモコンがあります。)また、リモコンの形状も300円イヤホンと異なり、円筒形をしています。
音質
「ハイレゾ対応イヤホン No.7301」のレビューに当たって、本来はちゃんとハイレゾ出力できる機器を用意しなければならないのですが、当サイトは悲しいことに高級オーディオをレビューすることはまずないので、有線でハイレゾ出力できる機器を持っていません。ということは、本機の最大の特徴を生かした状態でレビューできないということですが、開き直って、使う人が多いであろう、iPhoneに純正Lightning-3.5mm変換アダプタをつけてレビューすることにしました。(申し訳ございません・・・)
まず箱から出して一通り写真を撮って、iPhoneにつなげて聞いた最初の感想は「うわっ、高音キツい!とんがった音してるなぁ」でした。かなり高音域を強調した音づくりになっていて、いわゆるサ行が刺さるレベルです。しばらく聞いていると慣れたのかエージングが進んだのか、やや落ち着きましたが、それでもやはり高音域は強く、ボーカルやピアノの音はツヤがなくざらついて痩せた感じに聞こえてしまいます。低音域は過度に強調されることないものの十分な量が出ていて、定位感もはっきりしていて良好な音だと思います。中音域はやや物足りないかなぁというところですが、あまり出しすぎるとぼやけた感じが出てしまいそうなので、これくらいが良好なのかもしれません。
音の解像感は500円にしてはとても高く、各音の境界があいまいになったりぼんやりした音域はなく、かなり見通し良好な音です。また、定位感も悪くありません。ここはハイレゾっぽいといえばハイレゾっぽいのかもしれません。音の広がり感はあまりなく、近場で音が鳴っている印象です。
手持ちのハイレゾ対応イヤホンでソニーの過去製品「MDR-EX750」があったので聞いてみたのですが、MDR-EX750は高音域が落ち着いていたり、全体的豊かな感じの音ですが、解像感はダイソーの「ハイレゾ対応イヤホン No.7301」もいい感じではあると思います。
また、ダイソーで売っている300円イヤホンの中から、最近販売された中で音が結構好みだったNo.4915も聞き比べてみました。やはり「ハイレゾ対応イヤホン No.7301」は高音域がきついので、聞き比べるとNo.4915のほうがドンシャリ傾向ですが音は落ち着いている印象です。ただ、聞き比べるとNo.4915のほうがややぼんやりした印象を受けました。もしかしたらハイレゾだからって先入観が少しあるかもしれませんが、多分間違ってないと思います・・・。
マイクの音質はダイソーの300円イヤホンと同じレベルだと思いますが、より口元に近い分はっきり拾ってくれるような印象です。ZoomなどのWeb会議で試した限りでは、普通にしゃべっていればきちんと聞こえるように声を拾ってくれます。マイクは一般的な用途では必要十分な品質だと思います。
総評
今回の「ハイレゾ対応イヤホン No.7301」は、ダイソー初のハイレゾロゴが付されたイヤホンで、お値段なんと500円(税込み550円)です。実際聞いてみて気になるのは、高音域がかなり強調されているためか、音にざらつきがあり、ピアノやボーカル域ではツヤやかさが欠ける印象で、曲によってはやや聞き疲れする音だったことです。これ以外についてはぼやけた印象もなく解像感がちゃんとあり、かなり良好な印象です。
ダイソーの300円イヤホンもなかなか良好ですが、明瞭さでは「ハイレゾ対応イヤホン No.7301」のほうが明らかに上です。結局どれがお勧めなのかということですが、主観を交えて言えば、やや中低音域にぼんやりした部分はあるものの、低音域・高音域のバランスをとって聞きやすい音が良ければ300円イヤホンの中から「AL-001」「AL-002」「No.4915」「No.4922」「No.4908」「006(No.1491)」「007(No.1503)」をお勧めします。ハイレゾ対応のイヤホンを500円で買うというお得感と、音の明瞭さを重視するならこの「ハイレゾ対応イヤホン No.7301」がオススメです。
ダイソーの有線ワイヤレスイヤホンは、かなり質が向上してきている印象で、先にオススメした300円のイヤホンや今回のイヤホンは、その辺の1000円クラスのイヤホンを肩を並べ、一部凌駕するところもある印象を持っています。次のイヤホンが非常に楽しみです。
なお、残念なことに「ハイレゾ対応イヤホン No.7301」のイヤーピースはイマイチなので、低音域がぬけがちです。ソニーのハイブリッドイヤーピース等に替えたほうが、低音域の豊かさと全体的な明瞭感の向上があるので、気になるようでしたら変えてみることをお勧めします。
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